投稿日:2025.4.11
フロスと歯ブラシ、どちらを先に使うべき?
毎日欠かせない歯磨きですが皆さんは何を使われていますか?
歯ブラシのみの方もいらっしゃればフロスや歯間ブラシなども併用している方もいらっしゃると思います。
では、歯ブラシとデンタルフロス(または歯間ブラシ)の正しい使い方の順番をご存知でしょうか?
虫歯や歯周病の予防のために両方の使用が推奨されていますが、「どちらを先に使えばより効果的なのか」と悩んだことはありませんか?
この答えは、しばしば分かれることもあり、明確な正解がわからず迷う方も少なくないでしょう。
しかし、近年の研究や歯科医師の見解を踏まえると、効果的な順番が次第に明らかになっています。
正しい順番でケアを行うことで、汚れの除去効果が向上し、より健康な口腔内を維持できることがわかっています。
本記事では、フロスや歯間ブラシと歯ブラシの使用順について、科学的根拠を基に詳しく解説します。
正しいケア習慣を身につけ、虫歯や歯周病を防ぎ、健康な歯を長く保ちましょう。
目次
フロスや歯間ブラシと歯ブラシの役割
毎日のオーラルケアに欠かせない歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシは、それぞれ異なる役割があります。
これらを正しく使い分けることで、口腔内をより清潔に保ち、虫歯や歯周病を効果的に予防できます。
歯ブラシの役割
歯ブラシは、歯の表面を磨いて汚れ(プラーク)を除去するための基本的な口腔内のケア用品です。
特に、歯の外側や内側、咬合面(噛み合わせの面)の清掃に効果的で、毎日のブラッシングにより、食べかすやプラークが蓄積されることを防ぎます。
しかし、歯ブラシの毛先は歯と歯の間(歯間部)には十分に届かないため、歯間に残った汚れは取り除きにくいという弱点があります。
この歯間のプラークは虫歯や歯周病の原因となるため、歯ブラシだけでは清掃が不十分であることが分かります。
デンタルフロスの役割
デンタルフロスは、歯と歯の間に使用し、歯ブラシでは届かない部分の汚れを取り除くための清掃用具です。
糸状の素材で作られており、歯間に滑り込ませることで、歯の側面や歯周ポケット内に入り込んだ汚れを効果的にかき出すことができます。
特に、歯と歯が密接している部分では、歯ブラシでは取り除けない汚れが蓄積しやすく、ここから虫歯が発生することもあります。
フロスを使用することで、こういった歯ブラシでは除去ができない部分の汚れを除去することが可能で、歯周病の予防や口臭対策にもつながります。
歯間ブラシの役割
歯間ブラシは、歯と歯の間の広い隙間を効果的に清掃するための道具です。
特に、歯周病や加齢によって歯茎が下がり、隙間が広がった部分のケアに適しています。
このブラシを使うことで、歯間に残った食べかすやプラークをしっかり取り除き、歯周病の進行を防ぐことが可能です。
また、矯正装置を装着している方やブリッジを使用している方にとっても、ブラケットや補綴物の周囲など、通常の歯ブラシでは届きにくい部分を清掃するのに役立ちます。
フロス?歯ブラシ?先に使うべきはどっち?
歯磨き時、フロスや歯間ブラシと歯ブラシの使用順序については、歯科医の意見もさまざまです。
ただ、近年の調査結果や臨床的な知見では、先にフロス(または歯間ブラシ)を使用することで清掃効果が高まるとする見解が増えています。
先にフロス(または歯間ブラシ)を使う場合のメリット
フロスや歯間ブラシを先に使用すると、歯と歯の間に詰まった食べかすやプラークを効果的に除去できます。
その後に歯ブラシを使うことで、歯の表面だけでなく、歯間もより清潔に保つことができます。
さらに、フロスを先に使用することで、歯間の汚れが取り除かれ、その後のブラッシングで使うフッ素入り歯磨き粉の成分が隅々まで行き渡りやすくなります。
これにより、歯と歯の間の虫歯予防効果が高まることが期待されます。
先に歯ブラシを使う場合のメリット
歯ブラシでまず歯の表面や歯茎周辺の歯垢を取り除いたあとで、フロスや歯間ブラシを使った際に、より細かな汚れに集中して取り組むことができます。
特に歯間ブラシは、歯磨き後の方がスムーズに挿入しやすくなる場合もあります。
さらに、先にブラッシングを行うことで、口の中がある程度清潔になった状態でフロスを使用できるため、フロスに付着する汚れを抑え、より快適に使用できるという意見もあります。
どちらが正解?
結論として、多くの歯科医師は「フロス(または歯間ブラシ)→歯ブラシ」の順番を推奨しています。
これは、先に歯間の汚れを除去し、歯磨き粉のフッ素を隅々まで行き渡らせることで、虫歯や歯周病予防の効果を最大化できるためです。
しかし、最も重要なのは順番よりも、毎日欠かさず両方を使用することです。
歯ブラシだけでは歯間などの細かい部分の汚れを完全に除去できず、逆にフロスだけでは歯の表面の汚れを十分に落とすことはできません。
さらに、口腔内に矯正の装置がある場合、歯間や装置周囲に食べかすが残りやすいため、より丁寧なケアが求められます。
自身の口腔内に適切な磨き方が分からない場合は、歯科医師や歯科衛生士と相談しながら、自分に合ったケアの方法を身につけることが大切です。
矯正治療中のケアはどうする?
矯正治療中は、装置の影響で歯と歯の間や装置の周囲に食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。
特に、ワイヤー矯正ではブラケットやワイヤーの隙間に汚れが残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、通常の歯磨きだけでは不十分です。
適切な清掃を行わないと、矯正治療が順調に進まないだけでなく、治療終了後に健康な歯を保つことが難しくなってしまいます。
矯正中の口腔ケアでは、①歯間ブラシで装置周りと歯間の食べかすを除去 、
②フロス(スレッダー使用)で歯間のプラークを除去、
③歯ブラシで歯全体と装置周囲を丁寧にブラッシングの順番でお手入れすることをおすすめします。
それぞれの役割について詳しく説明します。
歯間ブラシで装置周りと歯間を清掃
矯正装置が付いていると、ブラケットやワイヤーの周りには食べかすや歯垢が溜まりやすくなります。
まずは歯間ブラシを使用して、目に見える汚れを取り除きましょう。
歯間ブラシは、歯と歯の間だけでなく、ブラケットと歯の間やワイヤーの下に挟まった汚れを効果的に除去できます。
特にL字型の歯間ブラシは、矯正装置の隙間や奥歯の清掃に適しており、使いやすさと効果の両方を兼ね備えています。
フロスを使用(フロススレッダーを活用)
次に、フロスを使用して、歯間の細かい汚れを取り除きます。
ただし、矯正装置がある状態では通常のフロスをそのまま使うのは難しいため、フロススレッダーやスーパーフロスを活用するのが効果的です。
フロススレッダーは針のような形状で、フロスをワイヤーの下に通しやすくする補助器具です。
一方、スーパーフロスは、先端が硬く加工されており、スレッダーを使わずに直接ワイヤーの下を通すことが可能です。
歯ブラシで仕上げ
最後に、歯ブラシを使って歯全体と装置周辺を丁寧に磨きます。
矯正中は通常の歯ブラシではブラケット周りの清掃が難しいため、矯正専用の歯ブラシやタフトブラシを使用するのがおすすめです。
まとめ
フロスや歯間ブラシと歯ブラシ、どちらを先に使うべきかは二手に分かれた意見が多くありますが、近年の研究や専門家の見解からは、「フロス(または歯間ブラシ)→歯ブラシ」の順番がより効果的であることがわかっています。
先に歯間の汚れを取り除くことで、歯磨き時にフッ素が隅々まで行き渡り、虫歯や歯周病予防の効果を高めることができるからです。
特に矯正治療中の方は、装置の影響で汚れが溜まりやすいため、歯間ブラシ→フロス→歯ブラシの3ステップのケアを習慣化することが重要です。
この順番を守ることで、矯正装置の周囲や歯間を徹底的に清掃し、治療中の虫歯や歯周病リスクを最小限に抑えることができます。
ただし、最も大切なのは「順番にこだわるよりも、毎日丁寧にケアを継続すること」です。自分に合ったケア方法を見つけ、正しい習慣を身につけることで、健康な歯と美しい口元を維持していきましょう。
定期的に歯科医院でチェックを受けながら、自信を持てる口腔環境を目指してください。
当院無料の矯正カウンセリングを行っております。