受け口の方で、なんとなく疲れがとれない・疲れやすいと感じる方はいませんか？

受け口は見た目に問題や違和感を抱く方が多い噛み合わせのひとつですが、それ以外にも体の不調の原因にもなりえる厄介な歯並びといえます。

「見た目の問題だけでなく、全身に影響を及ぼす可能性がある」ということをご存じの方は少ないかもしれませんね。

ここでは、受け口が全身に及ぼす影響と受け口の原因や改善方法について紹介します。

そもそも「受け口」とは？

受け口とは、上下の歯を噛み合わせたとき下の歯が上の歯よりも前に出て覆っているような状態をいいます。

よく「顎がしゃくれている」という表現もされますが、受け口の問題点はそれだけではありません。

発音の仕方や食事の摂り方など、生活に必要な機能にも大きな影響を与えます。

さまざまなリスクを考慮して、歯列矯正で改善しておきたい噛み合わせのひとつです。

受け口が全身に及ぼす影響って？

受け口の方には、以下の症状を抱えている方が多くいらっしゃいます。

・見た目が気になる

・滑舌が悪くなりやすい

・噛みにくさを感じやすい

・消化器官に負担がかかる

・奥歯へ負担がかかる

・顎関節へ負担がかかる

・全身の歪みの原因になることもある

これらの症状の原因が必ずしも受け口であるとは言えませんが、大きな要因のひとつとして考えることはできるのではないでしょうか。

「受け口だと疲れやすい」と表現されることがあるのは、こういった症状により倦怠感や疲労感を感じやすいためだと考えられます。

見た目が気になる

受け口になると正常な噛み合わせとは違い、下の歯が上の歯より前に出るかたちになります。

口を閉じたときに口角が下がったようになりやすいという特徴もあるため、相手へ与える印象も気になるかもしれません。

見た目が人とは異なることは、コンプレックスや違和感を抱く原因といえるでしょう。

滑舌が悪くなりやすい

発音をするとき、喉や舌や唇のような粘膜を使って音を出すイメージがあるかと思います。

実際には歯の存在も非常に重要で、歯並びや噛み合わせによっては空気が漏れたり必要なスペースが確保できなかったりして発音に支障をきたしてしまうのです。

噛みにくさを感じやすい

受け口になっていると、本来噛み合うはずの場所で噛むことができず噛みにくさを感じる場合があります。

前歯で噛み切ることが難しかったり細かく噛み砕くことが難しかったりと、食事で不便を感じる場面も多いでしょう。

消化器官に負担がかかる

食事を十分に噛み砕くことができないまま飲み込んでしまうと、胃腸などの消化器官に負担をかける恐れがあります。

そもそも十分に咀嚼することにより消化酵素が分泌されるため、噛む回数が少ないと消化の手助けをする酵素自体も少なくなってしまいます。

消化に時間がかかると胃腸に負担がかかり、全身の疲労に繋がる可能性も否定できません。

奥歯へ負担がかかる

受け口になっていると全ての歯がうまく噛み合うことは難しく、どこかの歯に大きく負担がかかりがちです。

とくに奥歯には強い力がかかりやすいので、うまく負荷が分散できないと歯が欠けたり割れたりして失ってしまうリスクも高まります。

顎関節へ負担がかかる

顎関節に負担がかかると、顎関節症のリスクが高くなります。

顎関節症になると、顎の関節が痛くなったり口を大きく開けられなくなったりします。

顎関節症が酷くなると、食事を摂れなかったり会話ができなくなるなどといった日常生活に支障がでる恐れがあるため注意が必要です。

全身の歪みの原因になることもある

受け口により噛み合わせが歪むことで、おくちの筋肉のバランスが崩れてしまいます。

すると、全身の筋肉が緊張・弛緩することで均衡を保とうとします。

その結果、おくちだけでなく、全身の筋肉のバランスが崩れ、歪みへと繋がってしまうのです。

受け口になる原因とは？

そもそも、どうして受け口になってしまうのでしょうか？

受け口にはいくつかの原因が考えられますので、簡単にご紹介します。

先天性の受け口

先天性の受け口とは、おもに遺伝が原因となる受け口のことを指します。

親族におなじような骨格の方がいる場合は、高確率でお子さまにも骨格が遺伝すると考えることができます。

骨格には問題がなくても、歯に原因があって受け口になる場合もあります。

具体的には、先天的に一部の歯が欠如していたり極端に小さかったりすると、噛み合わせが受け口となる可能性があります。

後天性の受け口

後天性の受け口とは、特定の癖によって歯並びが歪んでしまうような場合を指します。

舌が下の前歯に触れるような位置にある「低位舌」、舌で下の前歯を押し出すような癖がある「舌突出癖」、「上の唇を噛む癖」や常に口が開いた状態にある「口呼吸」などが受け口の原因となりやすい癖の例です。

受け口を治すには治療が必要

受け口を治したい、と思ったら治療を行う必要があります。

どのような状態であるかによって、治療方針が変わってきます。

それぞれ詳しくみていきましょう。

歯性(歯の並び方が原因)の受け口の場合

マウスピース型矯正やマルチブラケット矯正(ワイヤー矯正)のように、歯を動かす歯列矯正をおこないます。

マウスピース型矯正とは、透明なマウスピースを食事以外の時間に装着する矯正方法です。

目立ちにくく日常生活への影響も少ないため、マウスピース型矯正を希望される方も多いですが、すべての症例に対応できるわけではありません。

マルチブラケット矯正(ワイヤー矯正)とは、ブラケットという装置を歯に貼り付け、そこにワイヤーを通して行う矯正方法です。

さまざまな症例に対応できるためよく用いられますが、装着している間はむし歯や歯周病のリスクが上がるので気を付けてお手入れする必要があります。

骨格性(顎の骨の位置が原因)の受け口の場合

顎の骨を移動させる必要がある場合は、外科手術が必要となる場合があります。

外科手術と歯列矯正を組み合わせて行うことで、噛み合わせと顎の歪みを整えることが可能です。

顎変形症など、一部の症例では保険適用で治療を行える場合もあります。

子どもの場合は小児矯正で予防も可能

子どものうちに治療を始める場合は、マウスピース型の装置などを使用し成長の過程を利用して歯並びを整えることができます。

早期に矯正を始めることで歯を抜くリスクを減らせたり、大人の矯正治療よりもスムーズに歯が動きやすかったりとメリットも多いとされています。

受け口が疲れの原因となる可能性は十分に考えられる！

受け口が及ぼす影響のなかでも、全身に影響すると考えられるのは次の通りです。

・噛みにくさを感じやすい

・消化器官に負担がかかる

・奥歯へ負担がかかる

・顎関節へ負担がかかる

・全身の歪みの原因になることもある

受け口がこれらの症状を引き起こすことから、少なからず疲れの原因になるといえるでしょう。

特に全身の歪みや消化器官への負担は、体の疲労に直接的にかかわってくるといえます。

噛みにくさによる筋肉の疲労は、頭痛や肩こりにも繋がります。

受け口で疲れやすさを感じる方は、矯正を得意とする歯科医院で相談してみましょう。

矯正歯科では噛み合わせの見た目だけでなく、レントゲンやCTなどさまざまな検査を行うことができます。

詳しい検査を行うことで、原因や対処法を知ることに繋がります。

おくちの中のお困りごとは、お気軽にご相談ください。

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