menu
close

矯正コラム

マウスピース型矯正とスポーツ・運動

歯列矯正用のマウスピースを装着したままスポーツができるのか、多くの患者さまからご質問をいただきます。マウスピース型矯正は、一般的に日常生活において非常に優れた快適性を提供する矯正方法です。特に、従来のワイヤー矯正と比較して食事の際に容易に取り外しができるため、口内を傷つけるリスクが少なく、装着時のストレスも抑えられます。これにより、矯正治療中でも普段の生活を大きく変えることなく過ごすことが可能です。

しかしながら、口内に装置が入っているということは、何もかもが普段通りというわけにはいきません。患者さまが特に気にされるのが、スポーツ活動への影響です。このコラムでは、マウスピース型矯正装置を使用している場合のスポーツへの影響について詳しく解説し、どのように快適に矯正治療を続けることができるかをご紹介します。

マウスピース型矯正治療中もスポーツは可能です

結論からいうと、インビザラインに代表されるマウスピース型矯正で歯並びの治療を行っている期間中でも、さまざまなスポーツを行うことは可能です。ただし、マウスピース型矯正治療中のスポーツでは、いくつか注意しなければならない点があります。

矯正中のスポーツに関する注意点

矯正治療中にスポーツを行う場合、矯正装置が原因で口内を傷つける可能性があります。特にサッカーやバレーボール、バスケットボールといったボールが顔に当たる可能性のあるスポーツや、ラグビー、アメリカンフットボール、ラクロスといったボディコンタクトが多いスポーツでは、口元に直接衝撃が加わることがあります。こうした場合、唇や頬の内側が矯正装置に接触し、裂傷や擦り傷が生じることがあります。

特に「唇側矯正」(歯の表側に金属の矯正装置を装着する方法)は、金属ブラケットが直接唇に触れるため、口内を傷つけるリスクが高くなります。そのため、表側矯正を選択しているスポーツ選手の中には、特別なカバーを装着して矯正装置を覆うことで、怪我のリスクを低減させている方もいます。このように唇側矯正を行う場合には、装置が外的な力から保護されるように対策を取ることが推奨されます。

マウスピース型矯正はスポーツとの相性が良い矯正方法

一方で、マウスピース型矯正はその柔軟性と適応性の高さから、スポーツを行う患者さまにとって最適な選択肢の一つとされています。マウスピース型矯正では、滑らかなプラスチック製の装置が歯に密着しているため、万が一顔にボールや他の選手の身体が当たったとしても、金属ブラケットとは異なり口内を傷つけにくい特長があります。これにより、装着中に起こり得る痛みや損傷のリスクを軽減し、矯正治療中のスポーツ参加がより安全になります。

また、スポーツ中にマウスピースを取り外す必要がないことも大きな利点です。多くのコンタクトスポーツで発生する突発的な動作や衝撃に対しても、マウスピース型装置はしっかりと歯を保護し、快適に活動を続けることができます。このように、マウスピース型矯正は装置自体の安全性が高く、特にスポーツを行う際にはその効果を十分に発揮します。

舌側矯正中もスポーツを続けられます

ワイヤーとブラケットを用いた矯正の中でも、歯の裏側に装置を付ける「舌側矯正」は、装置が唇に当たらないため、口内の損傷リスクを減少させることができます。そのため、唇側矯正と比較すると、スポーツを行う際の安全性が高く、アクティブなライフスタイルを送る患者さまにとっては非常に有効な矯正方法となります。

特にスポーツ中に外見を気にされる方にとって、舌側矯正は表側から装置が見えないという利点もあります。そのため、舌側矯正はスポーツ活動を続けたい方だけでなく、見た目に対して配慮が必要な職業や生活をされている方にも人気のある治療方法です。

スポーツ用マウスガードとの違い

矯正治療用のマウスピースは、他の矯正装置と比較して歯や口内を傷つけにくい特性を持ちます。しかし、スポーツ中のパフォーマンスを最大限に引き出し、衝撃から歯や口内を効果的に保護する目的で設計された「スポーツ用マウスガード」とは異なる点に注意が必要です。

スポーツ用マウスガードは通常、比較的厚みがあり、瞬発力を発揮する際に生じる強い「噛みしめ」に対しても十分な強度を持っています。この「噛みしめ」動作はスポーツ時の集中力や筋力を高める効果があるため、例えばウェイトリフティングやラグビー、ボクシングといった競技においては、重要な役割を果たします。

一方、矯正用のマウスピースは主に歯の動きをサポートするための装置であり、薄く柔軟なプラスチックで作られているため、強い力で噛むと変形したり、ひび割れや破損が生じることがあります。そのため、強い力を必要とするスポーツを行う場合には、矯正用マウスピースのみでの保護は不十分なことがあります。スポーツ時に矯正用マウスピースを装着すること自体には問題はありませんが、噛みしめる癖がある方や、瞬間的に大きな力を加えるスポーツを行う場合には、必ず矯正歯科医に相談し、適切な保護対策を講じることが重要です。

矯正中のスポーツ別の注意点

インビザラインに代表されるマウスピース型矯正を行っている場合は、スポーツによって注意すべき点が異なります。ここではマリンスポーツやジムでのウェイトトレーニングを例に挙げて詳しく解説をします。

ダイビングとマウスピース型矯正(インビザライン)

マウスピース型矯正治療を行っている方の中には、ダイビングなどのマリンスポーツを楽しみたいと考える方も少なくありません。結論として、インビザラインを装着したままでのスキューバダイビングは問題ありませんが、いくつかの注意点を把握しておくことが重要です。

矯正治療中のダイビングにおいて最も重要なのは、口をしっかりと開けてレギュレータのマウスピースを正しく噛むことです。これにより、酸素供給を安定的に行い、水中での安全性を確保できます。しかし、噛み心地が悪いレギュレータを使用すると、矯正用マウスピースに過度な負荷がかかり、破損の原因になることがあります。

レギュレータの噛み心地が重要

レギュレータのマウスピースにはさまざまな種類があり、それぞれ噛み心地や硬さが異なります。矯正治療中の方は、無理なく口に入れることができ、正しい姿勢で口元を引き締められるものを選ぶことが大切です。また、レギュレータを強く噛む癖がある場合、その力でインビザラインを破損させる可能性があるため、注意が必要です。初めてダイビングを行う際には、レギュレータの噛み心地や矯正装置への影響を確認し、不安があればインストラクターやダイビングショップで相談しましょう。

矯正用マウスピースを外して潜るのはどうか

矯正用マウスピースは取り外し可能ですが、治療の進行を妨げないためには1日22時間以上の装着が求められます。食事や歯磨き以外の時間には装着を維持することが理想的です。ダイビング中に外してしまうと、装着時間が短くなり、矯正治療の効果に影響を及ぼす可能性があります。ダイビング中のレギュレータの使用による歯並びや噛み合わせへの負担が気になる場合は、矯正歯科医と相談の上、最善の方法を選択することが推奨されます。

矯正用マウスピースをつけたままジム通いは可能?

矯正治療を検討している方は、健康や体作りに対する意識が高く、ジム通いやトレーニングへの影響を心配される方も多いです。マウスピース型矯正装置(インビザライン)を使用している場合、ランニングやヨガ、筋力トレーニングなど、ほとんどのスポーツ活動において特に問題はありません。

ただし、ウェイトトレーニングやパワーリフティングのような活動では、重い負荷を扱う際に無意識に歯を強く食いしばることがあります。このような状況でマウスピースが破損するリスクがあるため、矯正歯科医に事前に相談することが望ましいです。また、必要に応じてスポーツ用のマウスガードを併用することで、歯への負担を軽減し、安心してトレーニングを続けることが可能です。

矯正中のスポーツでは飲み物に注意しましょう

マウスピース型矯正装置(インビザライン)を装着中は、飲み物の選択にも注意が必要です。特に、運動中にスポーツドリンクを飲む方も多いかもしれませんが、これらの飲み物には糖分や酸が多く含まれています。矯正用マウスピースを装着したままスポーツドリンクを飲むと、マウスピースと歯の間に糖分が滞留し、むし歯や歯の脱灰のリスクが高まります。

矯正治療中の運動時には、できるだけ水を選ぶことが推奨されます。他の飲み物を飲む場合には、マウスピースを外し、飲み終わった後にはしっかりと歯磨きを行い、口内の健康を保つことが大切です。また、水分補給は適切なタイミングで行い、長時間の脱水や酸の影響を防ぐよう心がけましょう。マウスピース型矯正装置を長期間にわたって効果的に使用するためには、日々のケアと正しい使用法を守ることが重要です。

まとめ

今回は、マウスピース型矯正とスポーツ・運動との関係について解説しました。マウスピース型矯正は、スポーツを行う方にとって非常に柔軟で快適な矯正方法です。特に、滑らかなプラスチック製で口内を傷つけにくく、取り外しも可能なため、スポーツ中の動きに制約を与えることが少ないのが特徴です。しかし、スポーツ中には口内への衝撃や噛みしめる動作によるリスクも伴うため、適切な注意が必要です。ダイビングやウェイトトレーニングなど特定のスポーツを行う際には、装置への負担を考慮し、必要に応じて矯正歯科医に相談することが推奨されます。また、スポーツドリンクなど酸や糖分を含む飲み物に対する注意も必要です。これらの注意点を守りながら、マウスピース型矯正とスポーツを両立させ、健康的な矯正治療を続けていきましょう。

患者様の満足度調査を実施しております。

少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。患者様の率直なご意見をいただき、改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。

NPO法人 日本⻭科医療評価機構の調査結果は以下バナーよりご確認ください。


日本⻭科医療評価機構がおすすめする東京都中央区・東京駅の⻭医者・東京八重洲キュア矯正歯科の口コミ・評判

※日本⻭科医療評価機構とは日本⻭科医療評価機構は、ネットで⻭医者を検索してみたが、どこに行けばいいか分からない、診療時間や場所のメリットだけではなく、本当に信頼して通える⻭医者を探したい、そんな患者様のために本当に信頼して通える⻭科医院を評価・認定することを目的とした組織です。