投稿日:2024.4.2
プラークコントロールとは?
みなさんはプラークコントロールという言葉を聞いたことがありますか?
プラークコントロールとは、むし歯や歯周病を防ぐためにとても大切なことで、汚れが付かないようにケアできているかということです。
矯正治療をする上でも重要になってくるのがプラークコントロールです。
今回は、プラークコントロールとはどうやってするのか?なぜする必要があるのか?矯正治療中にプラークコントロールができていないとどうなるのかリスクについてもお話していき
ます。
目次
<プラークコントロールってなに?>
お口の中には細菌がいて、細菌の集合体のことをプラークや歯垢と呼んでいます。
歯に付く白っぽい色をした汚れでヌメヌメとしています。
プラークは48時間程経過すると徐々に固まり始めて歯石へと変わります。
歯石は石のように固くなり歯にこびりついているので、プラークのように歯ブラシで磨いても取ることはできません。
このプラーク、歯石といった細菌の集合体がむし歯や歯周病の原因を作っています。
むし歯や歯周病にならないように、プラーク(歯垢)を歯磨きやクリーニングでケアしてコントロールすることをプラークコントロールといいます。
〈矯正治療中のプラークコントロールはどうやるの?>
矯正治療中は、ブラケット装置やワイヤー、パワーチェーン、アンカースクリュー
など歯を動かすための矯正装置がお口の中にたくさん入ります。
デコボコとした矯正装置は歯磨きがしにくいので、プラークが残りやすく細菌のすみかになりやすいのです。
このような状態で効率よくプラークコントロールをするにはどうしたらよいのでしょうか?
矯正治療中のケアについてご説明していきます。
【1.自分のお口の状態にあったケアアイテムを使う】
歯ブラシ、歯間ブラシ、タフトブラシ、フロス、糸ようじ、マウスウォッシュなどお口をキレイにするためのケアアイテムはたくさんあります。
ですが、こんなにたくさんのケアアイテムを全て使って歯磨きするのは大変ですよね・・。
どんな矯正装置がついているのかでアイテムを使い分けることで効率よく歯を磨くことができます!
一例としてアイテムの使い方をご紹介しますのでご参考にしてみてください。
矯正用ハブラシ:矯正用歯ブラシは真ん中が凹んでいるのが特徴です。
この凹み部分にブラケットの出っ張りが入りこむようになっていて、歯ブラシの形状から汚れの付きやすいブラケット周囲をぐるっと囲んで磨くことができます。
歯間ブラシ:ブラケットに付けられたワイヤーやパワーチェーンの下に歯間ブラシを入れてプラークを取ることができます。また、ブラケット周囲も縦横と当てて磨くことで歯ブラシ
だけでは取りきれなかった汚れにも細かくアプローチすることができます。
タフトブラシ:歯間ブラシと同じくブラケット周囲やアンカースクリューの手入れにも使えます。他にも、柄の長さを利用して、むし歯になりやすい一番奥の歯の後ろ側のアプローチ
にも利用できます。
フロス:ワイヤーがかかっていない歯と歯の間に利用できます。歯と歯の間は歯ブラシでは
ケアができない部位です。フロスを通して上げることで細かなプラークも除去できます。
【2.正しい歯磨きを実践する】
どのような矯正装置がどの部分に付いているのか、歯並びや傾きなどで歯磨きの仕方が変わります。
全員が縦磨きや横磨きをすればいいのではありません。
個々のお口の状態に合わせて歯磨きの方法が違いますので、歯科衛生士に教えてもらいましょう!
【3.歯科クリニックてプロケアをしてもらう】
日々のホームケアはとても重要です!
ホームケアがきっちりとできていれば、矯正治療中のむし歯のリスクもグンっと減ります!
ですが、矯正装置がたくさん入り歯もガタガタと整っていない状態のお口では汚れが残りやすいのも事実です。
定期的に歯科クリニックでプラークや歯石汚れをとってもらうことで罹患率も下がります。
普段磨き残した汚れはプロのケアにお任せするのも賢い選択です。
【4.日常生活の食べ物に注意する】
矯正治療中は歯の移動のときの痛みや違和感があるので、軟らかい食べ物をすすめることがあります。
ですが、菓子パンやソフトパンなど砂糖がたっぷりと入ったものを頻繁に食べているとむし歯のリスクが高くなってしまいます。
また軟らかい食べ物はブラケットやワイヤーなどの矯正装置にもこびりつきやすいので注意が必要です。
<矯正治療中にプラークコントロールが大事なのはなぜ?3つのメリット>
【矯正治療が計画通りに進む】
矯正治療のみに時間を使うことができるので治療が計画通りに進められます。
また、矯正力を高める装置を使うこともできるので矯正が早く進むこともあるでしょう!
【歯肉炎やむし歯のリスクを回避できる】
矯正治療中は歯磨きがしにくいことから、歯ぐきの炎症やむし歯のリスクが高くなりがちですがプラークコントロールができている方は、このような心配もなく矯正治療中もとてもよ
いお口の環境をキープできます。
【矯正治療後の審美性が高い】
矯正治療中もプラークコントロールができていた方は、矯正終了後には審美性が高い口元を手に入れることができるでしょう!
健康的なピンク色の歯ぐきとむし歯治療の跡がない歯、そしてキレイに整った歯並びの審美力は高いです。
<プラークコントロールができないとどうなるの?>
プラークコントロールとお口の健康状態が関係していることはお分かり頂けたかと思います。
では、十分なコントロールができていない場合はどのようなリスクがあるのでしょうか?
【歯ぐきが腫れて出血する】
歯肉炎という状態で歯ぐきがムズムズしたり痛みを感じることもあります。
プラーク(細菌の塊)は毒素を出すので歯ぐきが赤くなり腫れます。
腫れた歯ぐきは刺激に弱いので、歯磨きをしたときなどブラシがあたった際に出血してくることもあります。
【むし歯になる】
プラークは乳酸という酸を作り出し歯を溶かします。
この状態がむし歯です。
むし歯はどんどん広く深く進行していくので、しみる症状から始まり次第に痛みが出てきて激痛へと変わっていきます。
プラークコントロールが十分に行われていないと、むし歯治療しても再びむし歯ができてしまい何度でも繰り返します。
【歯周病になる】
歯周病は歯の周りにある組織に感染する病で最終的には歯が抜けてしまいます。
急に歯周病になるのではなく、最初は歯肉炎と言って歯ぐきが腫れる症状から始まります。
歯肉炎の場合には完治できますが、病が進行して歯の周りの組織にも影響がでてくる歯周病へとなったときには完治はできないと言われています。
【アンカースクリューが抜ける】
アンカースクリューがプラークで汚れてくると歯ぐきが腫れてスクリューが抜け落ちてきます。
再度アンカースクリューを埋めることはできますが、プラークコントロールが不十分だと再度脱落してくるので、矯正治療の進行が遅れることにつながります。
【治療費が高額になる】
細菌をゼロにはできませんので、プラークコントロールができない限り何度でもむし歯になり歯周病も進みます。
矯正治療中には装置の周りにプラークが溜まりやすいのでむし歯になるリスクも高くアンカースクリューも抜けてしまいます。
そうなれば、矯正治療費だけでなく歯を治すための治療もプラスされてどんどん治療が増えてくることになります。
【治療期間が長くなる】
矯正治療中にむし歯ができてしまって歯の治療を繰り返していたり、プラークコントロールのリスクから使用したい矯正装置を使えない場合などは矯正治療期間が長くなってしまうこ
ともあります。
【歯の審美性が低下する】
プラークが原因で歯肉炎になった場合、歯ぐきは赤く腫れ上がり出血あとが目立ってきます。
健康的でキレイなピンク色の歯ぐきからは遠い印象になるでしょう。
歯の治療は詰め物や、部分的な被せ物などで修復しますがつぎはぎのようになり見た目がよくありません。
歯周病は歯ぐきが下がって歯が真伸びしたように長く見えます。
矯正治療で歯並びがキレイに整ったとしても、歯ぐきの腫れやむし歯の治療の跡などがあると審美性はグンと落ちてしまいます。
プラークコントロールがいかに大切かがわかりますね。
痛みが無くても、一度、歯医者さんで虫歯の検診とクリーニングを受診することをおすすめします!
最後までご覧いただきありがとうございます。
東京八重洲キュア矯正歯科