投稿日:2025.11.25
セラミックの被せ物があっても矯正できる?注意点と治療の流れを解説
皆さんこんにちは!
東京八重洲キュア矯正歯科です。
今回は【セラミックの被せ物があっても矯正できる?注意点と治療の流れを解説】についてお話しさせていただきます。

「セラミックの被せ物や差し歯があるけれど、矯正はできるの?」そんなご相談を受けることは少なくありません。
結論から言うと、被せ物があっても矯正治療は可能です。ただし、天然歯とは違い、セラミックの表面はツルツルしているため、装置が外れやすい・接着しにくいといった点に注意が必要です。
矯正専門の歯科医院では、被せ物の素材や位置を考慮した特別な処置を行うことで、安全に治療を進めることができます。
目次
セラミックの被せ物でも矯正は可能です。
セラミックや差し歯などの被せ物が入っていても、ほとんどのケースで矯正治療は問題なく行うことができます。
実際、成人矯正では被せ物やブリッジがある患者さんも多いですが、矯正を理由に被せ物をすべて外す必要はほとんどありません。
矯正治療の目的は、歯の根(歯根)と骨の位置関係を整えることです。そのため、被せ物が入っていても、歯の根がしっかりしていれば歯を動かすことが可能です。ただし、天然歯と被せ物では性質が異なり、セラミックの表面は滑らかで接着剤が付きにくいという特徴があります。そのため、装置の固定方法を工夫したり、接着面を調整したりといった専門的な処置が必要になります。
つまり、「被せ物がある=矯正できない」ではなく、装置を装着する表面に適した接着物や装着方法を行えば、歯列矯正はできます。
なぜ装置が外れやすいのか
セラミックの被せ物に矯正装置を装着する際は、天然歯とは異なる性質を理解しておくことが大切です。
ここでは、外れやすさの原因と、その対処方法についてご紹介していきます。
セラミック表面は「滑らかすぎる」のが原因
セラミックやジルコニアなどの人工素材は、表面がツルツルしており、接着剤がしっかり密着しにくいという特徴があります。
矯正装置(ブラケット)は、歯の表面に専用の接着剤で固定しますが、天然歯のように微細な凹凸がないと、その接着の効果が十分に発揮できず、力が加わった拍子に外れてしまうことがあります。
さらに、矯正中はワイヤーの張力や噛む力が持続的にかかるため、滑りやすいセラミックに加え、持続的な引っ張りの力で外れるリスクが高まるのです。
接着を強化するための工夫
現在の矯正治療では、こうした問題を防ぐために複数の対策が行われます。
代表的な方法が「サンドブラスト処理」。
これはセラミック表面に微細な凹凸をつけ、接着剤が食い込みやすい状態をつくる技術です。
これにより、装置の固定力を大きく高めることができます。
また、セラミック専用のプライマー(下処理剤)や高性能接着レジンを使用し、天然歯と同等、もしくはそれ以上の接着強度を実現することも可能です。
これらの工夫を組み合わせることで、セラミックの被せ物があっても矯正装置を安定して装着し、安全に治療を進められるのです。
実際の治療の流れ
セラミックなどの被せ物がある場合の矯正治療は、矯正装置の接着方法を適宜調整する必要があるため、通常よりも丁寧な計画が必要です。
ここでは、一般的な治療のステップをわかりやすく解説します。
精密検査で被せ物の状態をチェック
矯正治療を効率よくに進めるためには、被せ物の位置や状態を正確に把握することが第一歩です。
そのため治療開始前には、レントゲン撮影・口腔内スキャン・歯科用 CT などの精密検査を行います。
これにより、被せ物の「材質(セラミック・メタルボンド・ジルコニアなど)」「厚み」「接着状態」「土台の歯根の健康状態」を立体的に確認します。
特にセラミッククラウンの場合、見た目は問題なくても、内部で歯根やセメント層が劣化していることがあり、矯正の力をかけると割れやすいリスクが潜んでいることもあります。
また、被せ物の角度や位置によっては、ブラケット(矯正装置)の正しい装着が難しい場合もあります。
必要に応じて仮歯・再製作を検討
被せ物の形状や位置が、歯並びの改善を妨げる場合は、矯正前に仮歯へ置き換える、または一時的に外して矯正後に再製作することもあります。
矯正後に新しい被せ物を作り直すケースも

矯正が完了したあとに、歯列に合わせて新しいセラミックを再製作するケースも少なくありません。
これは、最終的な歯の位置や角度に合わせて、被せ物を「理想的な形・色」で仕上げるためです。
特に前歯部では、歯並びが整うと光の反射や見え方が変わるため、矯正後にリニューアルすることで、より自然でバランスの取れた美しい口元を実現できます。
注意したい点とリスク
セラミックなどの被せ物があっても矯正は可能ですが、天然歯とは異なる性質を持つため、注意すべきポイントもいくつかあります。
装置が外れやすい・ズレやすいリスク
被せ物の表面は滑らかで接着力が弱いため、ブラケット(矯正装置)が外れたり、ズレたりしやすいことがあります。
それでも外れやすい部位がある場合は、バンド装置(歯を囲む金属リング)を併用することもあります。
被せ物が欠けたり、摩耗することがある
矯正中はワイヤーの摩擦や噛み合わせの変化により、被せ物の表面が擦れてツヤが失われたり、小さく欠けることがあります。
金属や接着剤によるトラブルに注意
メタルボンド(内側に金属を使用する被せ物)の場合、金属と接着剤の相性によって固定力が変わることもあります。
まとめ

セラミックや差し歯などの被せ物があっても、ほとんどのケースで矯正治療は問題なく行えます。
ただし、天然歯と異なり表面が滑らかなため、装置が外れやすかったり、摩耗や欠けが起きやすいといったリスクがある点は理解しておく必要があります。
矯正専門医院では、被せ物の材質や位置を考慮し、サンドブラスト処理や専用接着剤の使用など、外れにくくする工夫を行いながら安全に治療を進めます。
つまり、「被せ物がある=矯正できない」ではなく、正確な診断と丁寧な準備があれば安心して矯正ができるということです。





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