投稿日:2025.1.10
開咬(オープンバイト)を自分で治せる?放置するとリスクはあるの?
歯並びの中でも、上下の歯がきちんとかみ合わず、隙間ができてしまう状態を「開咬(オープン
バイト)」といいます。この状態は、子どもの頃の癖や顎の成長のバランスが崩れること、日常
の生活習慣などが原因で起こることが多いです。放っておくと、かみ合わせが悪くなったり、健
康に影響を与えるリスクが高まることがあります。でも、正しい治療やケアを行うことで、多く
の場合は改善することができます。そのため、早めの対応がとても大切です。
この記事では、開咬がどんな状態なのか、なぜ起こるのか、治療しないとどんな問題があるのか
、そして治療方法についてわかりやすくご紹介します。
目次
開咬(オープンバイト)とは?
開咬(オープンバイト)は、上下の歯が正常に噛み合わず、特定の部分に隙間ができる噛み合わ
せの異常のことです。通常、上下の歯がしっかり噛み合うことで食べ物を噛み砕いたり、発音を
助けたりしますが、開咬ではそれがうまく機能しません。その結果、食事や会話に支障が出るだ
けでなく、顎や歯に余計な負担をかけることになります。
開咬は、歯並び全体に影響する場合もあれば、一部の歯だけが噛み合わないケースもあります。
前歯が噛み合わない「前歯部開咬」では、麺類や薄い食べ物を噛み切るのが難しくなります。ま
た、奥歯が噛み合わない「奥歯部開咬」では、食べ物を十分にすりつぶせず胃腸に負担がかかる
ことがあります。さらに、歯全体が噛み合わない場合には、発音や見た目にも影響を与えること
があります。
さらに、開咬は自然に治ることはほとんどありません。また、習慣の見直しだけで完全に改善す
るのも難しいため、自分だけで治すことは非常に困難です。専門的な治療が必要となる場合が多
いため、早めに歯科医師へ相談することが大切です。正しい診断と治療を受けることで、見た目
や機能を改善する第一歩を踏み出せます。
開咬(オープンバイト)はなぜ起こる?主な原因を解説
骨格の問題
開咬の大きな原因の一つは、顎の骨格に関する問題です。上下の顎が成長する際、バランスが崩
れることによって歯が噛み合わなくなる場合があります。例えば、上顎が過剰に成長しているケ
ースでは、前歯に隙間が生じやすくなります。一方で、下顎が未発達である場合も同様に、上下
の歯が適切に噛み合わず、開咬を引き起こします。
また、遺伝的な影響も見逃せません。親から子へと骨格の特徴が受け継がれることがあり、家族
内で似たような歯並びや噛み合わせの問題が見られることもあります。骨格性の開咬は、見た目
にも影響が大きいため、早期の矯正治療が必要になることが多いです。
生活習慣の影響
生活習慣や癖は、特に幼少期における開咬の主な原因の一つとされています。これらの要因が長
期間続くことで、歯や顎の成長に影響を及ぼすことがあります。
・指しゃぶりやおしゃぶり
幼少期に長期間指しゃぶりをしたり、おしゃぶりを使用したりすることは、歯並びに大きな影響
を与える可能性があります。これらの習慣によって前歯が外側に押し出され、上下の歯に隙間が
生じるケースが多く見られます。
・舌突出癖(ぜつとつしゅつへき)
舌を無意識に前方に押し出す癖も、開咬の原因となります。この癖は、特に発音の際や飲み込む
動作で顕著に現れることがあり、前歯を外側に押し出すことで隙間を作ってしまいます。
・口呼吸
鼻づまりやアレルギーによって慢性的に口呼吸をする癖がつくと、舌の位置が下がり、歯や顎に
適切な圧力がかからなくなります。これが長期間続くと、開咬やその他の噛み合わせの問題を引
き起こします。
開咬を放置するとどんなリスクがあるのか?
食べ物をうまく噛めない
開咬の状態では、前歯で食べ物を噛み切ることが難しく、麺類や葉物野菜などを食べる際に不便
を感じることがあります。また、奥歯部の開咬では、食べ物を十分にすりつぶせないため、胃腸
に負担がかかりやすくなります。このような状況が続くと、消化不良や栄養吸収の低下を引き起
こす可能性があります。
発音の不明瞭さ
歯並びに隙間があることで、空気が漏れやすくなり、発音が不明瞭になることがあります。特に
、「サ行」や「タ行」の発音に影響が出やすく、人前で話す際にストレスを感じる要因となるこ
とがあります。
歯や顎への負担
噛み合わせが悪いと、一部の歯に余計な力がかかってしまい、その歯がすり減りやすくなります
。また、歯ブラシが届きにくい場所に汚れが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くな
ります。さらに、噛み合わせの乱れは顎の関節にも負担をかけ、顎関節症を引き起こすことがあ
ります。顎関節症になると、顎が痛んだり、口を開け閉めする際に音が鳴ったり、口を大きく開
けにくくなるといった不便な症状が現れることがあります。
見た目や心理的影響
開咬では、前歯の隙間が目立つため、笑顔や話すときにコンプレックスを感じることがあります
。特に、人前で話す機会が多い仕事や接客業では、見た目への影響が大きなストレスとなる場合
があります。
開咬(オープンバイト)の治療方法
マウスピース型矯正
マウスピース型の透明な矯正装置を用いて歯を徐々に動かし、正しい噛み合わせを作ります。取
り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に便利で、見た目にも目立たないのが特徴です。ただし
、重度の開咬には適用できない場合もあります。
ワイヤー矯正
歯に装着したブラケットとワイヤーを使って歯を動かす矯正方法です。歯を効率的に動かせるた
め、幅広い症例に対応でき、重度の開咬にも効果的です。近年では、見た目を気にする方のため
にセラミック製や裏側矯正(舌側矯正)などの選択肢も増えています。
外科的治療
骨格の問題が原因で重度の開咬が発生している場合、矯正治療だけでは改善が難しいケースがあ
ります。この場合、外科的治療が選択肢となります。
上下の顎の骨を調整し、正しい位置に配置する外科的アプローチです。この方法は、骨格的な異
常を根本的に改善することができるため、見た目と機能の両面で大きな効果が期待できます。手
術後には矯正治療を併用して歯並びを最適化するのが一般的です。
生活習慣の改善
矯正治療と一緒に大切なのが、生活習慣の見直しです。特に、幼い頃の指しゃぶりや舌を前に押
し出す癖(舌突出癖)は、歯並びに大きな影響を与えます。これらの習慣を早めにやめることで
、歯や顎が自然に成長しやすくなり、開咬(オープンバイト)の進行を防ぐことができます。
さらに、舌や唇の筋肉を正しく使うための「口腔筋トレーニング(MFT)」も効果的です。この
トレーニングでは、舌を正しい位置に置く練習や、噛むための筋肉を鍛えることで、歯並びや顎
の動きを整えることができます。子どもから大人まで幅広く実践できる方法ですが、特に成長期
の子どもに行うと大きな改善が期待できます。日常のちょっとした癖を見直すことが、歯並びを
良くするための第一歩です。
まとめ
開咬(オープンバイト)は、噛み合わせの問題だけでなく、日常生活や健康にさまざまな影響を
与える状態です。食事中に食べ物をうまく噛めない、発音が不明瞭になる、顎に痛みが生じると
いったトラブルを引き起こすことがあります。また、見た目の問題が心理的な負担や自己肯定感
の低下につながることも少なくありません。
開咬の原因は、遺伝的な骨格の問題や幼少期の指しゃぶり、舌を前に押し出す癖(舌突出癖)、
口呼吸などの習慣に起因することが多いです。軽度であれば生活習慣を改善することで自然に治
る場合もありますが、多くの場合は自力で治すことは難しく、中度から重度の開咬には矯正治療
や外科的治療が必要になります。治療後もリテーナー(保定装置)の使用や口腔筋トレーニング
を継続することで、再発を防ぐことが大切です。
開咬を放置すると、虫歯や歯周病、顎関節症といった口腔トラブルのリスクが高まるだけでなく
、肩こりや頭痛など全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。開咬が気になる場合は、早
めに専門の歯科医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。自然に治ることはほとんど
ないため、早めに行動することで健康的で自信を持てる歯並びを手に入れることができるでしょ
う。
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