投稿日:2025.7.1
受け口の「骨切り手術」に保険は適用される?
受け口の治療方法は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正の他に顎の骨を切っておこなう施術方法があります。
受け口を治したいとき、顎の骨を切る手術が必要になる方も多いのですが、全額自費負担となると高額になってしまうのでないか・・・と費用面で心配になりますよね。
今回は、受け口治療で「骨切り施術」となった場合に保険が適応されるのか?どのような段取りで手術が進むのか?など詳しくご説明していきます。
受け口の治療を検討させている方はぜひご参考にして下さい。
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<大人の受け口を治すにはどうしたらいい?>
大人になってから受け口を治すには、歯列矯正か歯列矯正と外科手術を合わせた方法で治す2つの方法になります。
受け口の中でも症状が軽いケースでは、ワイヤー矯正で治せることもありますが、症状が重い受け口では、歯列矯正と外科手術をおこなった方が効果が最大限発揮されます。
外科手術の治療方法も種類がいくつかあり、どの治療方法も顎の骨を切る手術をするので、受け口の状態に合わせた治療計画を外科医と矯正医がつくります。
歯列矯正と外科手術がいる受け口の治療は、手術期間が入るため通常の矯正治療よりも治療期間は長くなります。
<受け口の骨切り手術は保険適応になるの?>
受け口の治療方法には、顎の骨を切る外科的な矯正治療というものがあります。
外科治療と聞くと料金も高額になりそう・・・と思ってしまいがちですが、受け口を治すための外科手術は保険の適応になるんです!
自費治療と違って保険適応で治療が進められるのは嬉しいですよね。
金銭的な理由でなかなか治療に踏み切れなかった方も保険適応で治療ができるならハードルが下がるのではないでしょうか!
ただし、保険適応で治療をおこなうには、手順や条件があるのでしっかりと理解しておくことが大切です。
間違った手続きや理解で保険が使えなかった・・・なんてことにならないようによく把握しておきましょう。
<保険が適用される症例は?>
歯列矯正は保険の適用外となることが多いです。
ですが、厚生労働省が決めている方法で手術をしたときには、保険適応での治療が可能になり治療費の負担も少なくなります!
顎の手術が必要となる症状の多くは顎変形症です。
顎変形症の治療では、外科治療だけでなく歯科矯正治療も保険適用となるメリットがあるんです!
生まれつき咬合異常があると診断された場合も、外科治療と歯科(矯正治療が保険の)適用になります。
その他にも、厚生労働省が定めている特定59症状の先天性疾患が原因の咬合異常は、歯列の矯正治療は保険適用での対応が可能になっているんです。
例えば、上顎前突症・下顎前突症・上顎後退症・下顎後退・顔面非対称症・開咬症などは顎の手術と歯科矯正治療がいることが多いので、それぞれの症状に合わせた外科治療をおこない症状を改善させます。
どのような症状名になるかは、歯科医師の診断が必要になるため、自分の状態が気になる方はぜひご相談下さい。
症状名が診断されれば保険適応で治療をおこなうことができ、経済的にもとてもメリットが高くなります!
<外科治療が保険の対象となる条件ってなに?>
保険適応で治療を受けるためにはいくつかの条件があります。
それは、下記のような厚生労働省が保険適応で治療が受けられると定めた状態であるかどうかです。
【1.下顎前突症(受け口)】
下顎が前に出ている。横から見るとしゃくれ顔になっている。
【2.上顎前突症(出っ歯)】
下顎が後ろに過剰に後退している。
【3.顔面非対称症(顔の歪み)】
顎が曲がっている。顔が左右で歪んでいる。
上記のような方は、歯並びが原因となっているのではなく、骨格が根本的な原因となっている方も多くいらっしゃいます。
骨格が問題で症状が起きているケースで診断名がつけば矯正治療と外科的な治療が対応となります。
診断名がつけば、外科手術で顎の骨を切る治療と噛み合わせや歯並びを整えるための矯正治療が保険適応ですることができます。
ただし、保険適応でおこなう場合には、手術をおこなう医療機関や手術や矯正治療の方法などが決められているので自分で自由に選択できるというわけではありません。
厚生労働省が決めたルールに従って治療を進めることが条件になっているので、それでも保険適応の魅力があると思う方は歯科医師に相談しましょう。
<保険で骨切り手術をする6つのメリット〉
顎の骨を切っておこなう外科治療には、通常の歯列矯正で改善がされにくい方にとってたくさんの(良い点が)あります。
どのような良い点があるのか詳しくご説明しいていきますので、受け口の治療に悩まれている方は参考にしてみて下さい。
【1.矯正治療のみでは困難な歯並びにも対応できる】
重度の受け口や顎が左右非対称で顔や口元が歪んでいる方など、骨格自体に問題を抱えている
ケースでは歯列矯正だけで治すには限界があります。
矯正治療だけでは困難な場合でも、外科治療で顎の骨を適切な位置に整えて歯列矯正をおこな
えば顔のバランスや歯の噛み合わせ、歯並びをキレイに整えることができます。
【2.歯の周りの組織の負荷を減らせる】
骨格が大きくズレている状態で矯正の治療をすると、歯や歯肉など歯の周りの組織に負荷をかけることになります・・。
顎の外科手術をおこなえば、口腔外科医執刀のもとで高度な手術をしてもらうことができますので、)あごの骨と歯の周りの組織との位置関係を調整しながら治療をすることができるので、できるだけ組織への負荷を減らして治療を進めることができます。
【3.顔の輪郭がキレイになる】
歯列矯正は歯並びのみの治療になりますが、あごの骨を切る治療は骨格自体を変えることがで
きるので口元や顔の歪みなど輪郭の悩みにも効果が大きく期待ができます。
【4.健康面や精神面での効果が期待できる】
噛み合わせが悪いと頭痛や肩こりなど体に不調が起こりやすくなります。歯並びなどの見た目でコンプレックスを抱えている方もいます。
外科手術をして歯並びや顔の歪みが改善されれば、自分の顔に自信が持て、精神面が良くなるのと同時に健康面での改善も期待できます。
【5.高額医療費の還付制度の利用ができる】
同一月内(同月の1日〜31日まで)に同一の医療機関でかかった自己負担額の限度額(年収によって異なる)を超えた分について支給される制度です。
入院が月をまたいだ場合など金額が限度額に達しないと支給されないこともあるので注意です。
入院や手術で費用がかかる見通しができているときには、同一病院で月の初めから治療をするのがおすすめです!
1ヶ月の治療で支払う自己負担額は年収によって決まるので、入院や手術の費用が自己負担額を越えていればそれ以上の費用はかかりません。
【6.(高額医療費の貸付制度)の利用ができる】
高額医療の給付を受けるには一度3割負担で支払わなければなりません。
ですが、還付までは数ヶ月程の時間がかかることもあるので、経済的な余裕がない場合は後日還付される金額を担保として融資が受けられる制度があります。
他にも、還付金を見越して自己負担額のみの支払いにする制度(委任払制度)を利用できる場合もあります。
詳しくは病院の医事課や加入の保険組合、市町村などの窓口に相談してみましょう!