投稿日：2025.1.31

歯科矯正用アンカスクリューは痛い？メリット・デメリットや注意点とは

歯科矯正治療を考えていると、「アンカースクリュー」という少し耳慣れない言葉を目にするこ
とがあります。これは、小さなネジのような器具で、矯正治療をより正確に進めるために使われ
る矯正器具の一つです。特に、従来の矯正器具では難しかった動きをサポートし、治療の効率を
高める方法として注目されています。

一方で、「歯ぐきにネジを入れる」という言葉だけで不安に思う方もいるかもしれません。「ど
のくらい痛いの？」「安全性はどうなの？」といった疑問を持つのは当然です。この記事では、
歯科矯正用アンカースクリューの仕組みやメリット・デメリット、さらに気になる痛みや術後の
注意点について詳しく解説します。矯正治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

歯科矯正用アンカースクリューとは

歯科矯正用アンカースクリューは、矯正治療で使われる小さなネジのような器具です。これを歯
ぐきの中の骨に埋め込み、歯を動かす際の「固定源」として利用します。従来の矯正治療では、
他の歯を固定源にして力を加えることが一般的でしたが、アンカースクリューを使用することで
、より効率的に、そして正確に歯を動かすことが可能になります。

このスクリューが特に役立つのは、特定の歯だけを動かしたい場合や、奥歯を引き下げたり前歯
を後ろに引っ張ったりする治療を行うときです。通常の固定方法では難しい動きも、アンカース
クリューの安定した固定力によってスムーズに進められます。また、治療の精度が向上するため
、より理想的な歯並びを目指すことができます。

さらに、この器具は小さく目立たないため、装着中も見た目を気にせず治療を受けられるのが特
徴です。アンカースクリューは、矯正治療を効率化する新しい選択肢として、多くの患者さんに
利用されています。

アンカースクリューのメリットとデメリット

メリット

・治療の精度の向上

アンカースクリューは、顎の骨に直接固定されるため、安定した固定源となります。従来の矯正
治療では、歯を動かす際に動かしたい歯以外の歯にも影響を与えてしまうことが一般的で、治療
の精度が下がることもありました。しかし、アンカースクリューを使用することで、特定の歯だ
けにアプローチし、それ以外の歯に余計な影響を与えずに治療を進めることが可能です。
例えば、奥歯を正しい位置に引き下げたい場合や、前歯を後ろに引っ張る必要がある場合、従来
の方法では難しかった動きも、アンカースクリューを活用することで効率よく歯を動かすことが
可能です。これにより、治療結果の精度が格段に向上し、理想的な歯並びをより確実に実現でき
ます。

・治療期間の短縮

従来の矯正治療では、歯をゆっくりと少しずつ動かす必要があり、治療期間が長くなることが一
般的でした。しかし、アンカースクリューを併用することで、効率的に力を加えることができる
ため、歯が動くスピードが速くなり、全体の治療期間が短縮される場合があります。
特に、複雑な歯列矯正が必要なケースでは、この効果が著しくあらわれます。

 

・抜歯を避けられる可能性がある

矯正治療では、歯が並ぶスペースが足りない場合に抜歯を行うことがあります。しかし、アンカ
ースクリューを活用することで、抜歯を回避できる可能性が高まります。これは、アンカースク
リューを使うことでスペースを効率的に作り出し、歯を適切な位置に動かせるからです。

・見た目が気にならない

アンカースクリューは非常に小さく、歯ぐきに埋め込まれるため、外からはほとんど見えません
。従来の矯正器具のようにワイヤーが目立つことがないため、矯正治療中でも見た目を気にせず
に過ごすことができます。特に、仕事や学校などで人前に立つ機会が多い方にとって、矯正治療
中であることが目立たないのは大きな安心感となるでしょう。

さらに、アンカースクリューを使用していることを知られたくない場合でも、見た目の負担が少
ないため、治療を秘密にしやすいのもメリットです。このように、審美性を保ちながら治療を進
められる点は、多くの患者さんにとって魅力的なポイントです。

デメリット

・痛みや違和感

アンカースクリューを埋め込む際は、局所麻酔を使用するため手術中に痛みを感じることはほと
んどありません。しかし、術後には軽い鈍痛や違和感を覚えることがあります。特に数日間は、
スクリュー周辺に圧迫感を感じる場合もあります。

・トラブルの可能性

スクリューが緩んだり外れたりすることがあるほか、埋め込んだ部分に炎症が起きる場合もあり
ます。このようなトラブルが発生した場合、すぐに歯科医師に相談することが大切です。

・全ての患者に適用できるわけではない

骨が十分に成長していない場合や、骨の密度が低い場合などは、アンカースクリューを使用でき
ないことがあります。また、歯ぐきの状態や全身の健康状態によっても制限されることがありま
す。

痛みを和らげるケア方法

術後の痛みを和らげるためには、いくつかの方法があります。まず、医師から処方された薬や市
販の鎮痛剤を適切に使用することが効果的です。痛みが強い場合は、無理をせず歯科医師に相談
することをおすすめします。

さらに、術後数日は硬い食べ物を避け、スープやヨーグルト、柔らかいご飯など刺激の少ない食
事を摂るように心がけましょう。これにより、スクリューへの負担を減らすことができます。ま
た、口腔内の衛生をしっかりと保つことも重要です。スクリュー周辺を優しくブラッシングし、
汚れを取り除くことで、感染や炎症のリスクを下げることができます。

もし術後痛みが続いたり、腫れや炎症がひどくなる場合は、すぐに歯科医師に相談してください
。これらの症状は、スクリューの緩みや感染症が原因である可能性があり、早期に対応すること
で大きなトラブルを防ぐことができます。

アンカースクリューを使う際の注意点

歯科矯正用アンカースクリューを安全に使用するためには、いくつかの注意点を守る必要があり
ます。まず、術前にはスクリューを埋め込む場所の骨の状態を確認することが重要です。骨の厚
みや密度が十分であることを確認するために、レントゲンやCTスキャンを用いた事前検査が行わ

れます。また、術前には口腔内を清潔に保つことも大切です。歯石やプラークが多いと感染リス
クが高まるため、プロフェッショナルクリーニングを受けておくと安心です。

術後は、日常生活の中でいくつかの点に注意する必要があります。特に、硬い食べ物や粘着性の
ある食品は、スクリューに過剰な力をかけてしまう可能性があるため避けるべきです。また、ス
クリュー周辺をブラッシングする際には、力を入れすぎず優しくケアを行いましょう。口腔内の
衛生を保つためには、抗菌作用のある洗口液を使用すると効果的です。

もしスクリューが緩んだり外れたりした場合は、すぐに歯科医師に相談することが大切です。ま
た、術後の痛みや腫れが長引く場合やスクリュー周辺に違和感を感じる場合も早めに受診し、適
切な処置を受けるようにしましょう。これらの注意点を守ることで、アンカースクリューを使用
した矯正治療を安全かつ効果的に進めることができます。

まとめ

歯科矯正用アンカースクリューは、矯正治療の精度を高め、治療期間を短縮するなど、多くのメ
リットをもたらす器具です。特定の歯をピンポイントで動かす必要がある場合や、抜歯を避けた
い場合などに非常に有効な治療方法と言えるでしょう。小さくて目立たず、治療中の見た目を気
にしなくて良いのも大きな魅力です。

一方で、術後の痛みや違和感、スクリューの緩みや外れといったトラブルが起こる可能性がある
ため、術前・術後のケアや注意が欠かせません。特に、骨や口腔内の状態によっては適用できな
い場合もあるため、事前の診断が重要です。何か問題があれば、すぐに歯科医師に相談し、適切
な対応を受けることが大切です。

アンカースクリューを活用した治療を成功させるためには、歯科医師との十分な相談と、自分に
合った治療計画を立てることが欠かせません。矯正治療を考えている方は、ぜひ矯正専門の歯科
医師およびカウンセラーと相談し、理想の歯並びを手に入れましょう。

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