投稿日:2025.3.21
アンカースクリューを使った歯科矯正方法とは?
皆様、こんにちは。
大久保ビルディング6階にある【東京八重洲キュア矯正歯科】です。
歯並びを整える場合には歯列矯正を思いつく方も少なくありません。
歯列矯正というとワイヤーやマウスピース型の装置を想像すると思いますが、それに加えてアンカースクリューという矯正装置を併用することがあります。
今回は、アンカースクリューを使用した歯科矯正、使用する歯並び、使用するメリットとデメリット、歯列矯正の流れを解説します。
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アンカースクリューを使った歯科矯正とは?
アンカースクリューを使った歯科矯正とは、固定式や取り外し式の装置に加えて歯をより効率よく動かすための矯正装置を併用した方法です。
アンカースクリューとはミニインプラント治療とも呼ばれており、小さなチタン製のネジを動かしたい歯の近くに埋め込んで利用する治療です。
顎の骨に小さなネジを埋め込んだあとに、ネジの頭にワイヤーや矯正用のゴムを装着して歯に力をかけます。
通常、前歯を動かすときに固定源は奥歯なのですが、そうすると前歯だけではなく奥歯まで少なからず動いてしまいます。
このようなリスクを避けるためにもアンカースクリューを採用します。
ネジはチタン製のため金属アレルギーが引き起りにくくほとんどの方に適応することが可能です。
すべての方に使用するわけではなく、動かしにくい歯や大きく動かす必要のある歯がある場合に用いられます。
当院では裏側矯正と併用して治療を進めています。
アンカースクリューを使用する歯並び
ここからは、アンカースクリューを使用する歯並びを解説します。
ガミースマイル
ガミースマイルとは、にっこり歯を見せて笑ったときに歯ぐきが必要以上に見えてしまう歯並びのことです。
厳密に決まっているわけではありませんが、歯ぐきが3mm以上見える状態をガミースマイルと呼びます。
見た目にコンプレックスを抱える方も少なくありません。
ガミースマイルの場合はワイヤー矯正だけでは歯ぐきの見え方を改善することが難しい傾向があります。
そのため、前歯を唇側に移動させて歯と歯ぐきのバランスを整えるためにアンカースクリューを使用するのです。
重度の出っ歯
出っ歯とは上の歯が唇側に傾斜していて上下の前歯の間に4mm以上の差が出ている状態をいいます。
出っ歯の場合は、前歯を後方に移動させるため使用します。奥歯を固定源とするよりも顎の骨に埋入したネジを固定源とした方が前歯だけを動かすことができるため効率がよいのです。
重度の受け口
重度の受け口の場合にも出っ歯と同じ理由でアンカースクリューを使用することがあります。
受け口は下の歯が唇側に傾斜したり、唇側から生えたりすることで上下の噛み合わせが反対になっている歯並びです。
過蓋咬合
噛み合わせが深い状態を過蓋咬合と呼びます。
上の歯が下の歯を3分の2以上覆いかぶるように噛み合っていると過蓋咬合になるのです
が、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正だけでは噛む位置を整えるのに限界があります。
歯の位置を唇側に移動させるために使用すると歯と歯ぐきの位置関係を整えられます。
抜歯を避けたい
出っ歯や受け口など前歯を後方に動かしたい場合には、スペースを作るために前から数えて4もしくは5番目の歯を抜くことがあります。
健康な歯を抜く必要があるため抜歯をするのを悩むこともあるでしょう。
しかし、ミニインプラントを用いれば抜歯を避けられることがあります。
奥歯をさらに後方に動かすこともできるため前歯を含めた他の歯が並ぶスペースを作り出すことができるのです。
奥歯を大きく動かしたい
奥歯を大きく動かしたい場合にも用いることがあります。
ワイヤー矯正やマウスピース型矯正だけでは奥歯を後方や前方に動かすのには限界があります。
奥歯は根っこが数本あるため動かすための時間もかかるため、奥歯だけに力をかけて動かせるアンカースクリューは効率がよい傾向があります。
アンカースクリューのメリット
アンカースクリューのメリットは以下が挙げられます。

矯正治療期間が短くなる
矯正治療期間が短くなるメリットがあります。
ワイヤー矯正やマウスピース型矯正だけの治療よりもアンカースクリューを併用することで効率よく歯並びを整えられるのです。
動かしたい歯だけを動かせる
奥歯を固定源にせずに顎の骨に固定されたネジを固定源にして、動かしたい歯だけに力をかけることができます。
左右上下に歯を動かせる
歯を横方向だけではなく上下の方向に動かせるため、ワイヤー矯正だけでは困難は歯並びも対応となります。
患者様の負担を軽減できる
ヘッドギアの装着を避けることができます。
ヘッドギアとは、出っ歯(上顎前突)を改善するために頭を固定源とする装置のことです。
奥歯が動くのを防いで前歯だけを効率よく動かすことができるのですが、ヘッドギアの装置は顔とお口の中にあるため見た目が目立ちます。
また、就寝中は装置が邪魔で寝返りを打ちにくい、慣れるまで管理が難しい傾向があります。
このように患者様の協力が必要となるヘッドギアを使用せずに歯並びを改善できるのがアンカースクリューのよい点です。
また、東京八重洲キュア矯正歯科では、埋入に「電動トルクドライバー(オルソニア)」を使用します。
こちらを使用すると埋入スピードがゆっくりのため痛みが少ないといったメリットが得られます。
さらに、埋入する部分のトルク(力)が設定できるために、埋入中にネジが折れてしまうリスクがなく、ブレがないため必要以上に埋入する部分の顎の骨を削らなくて済みます。
アンカースクリューのデメリット
ここからは、アンカースクリューのデメリットを解説します。

アンカースクリューが外れるリスクがある
矯正治療後には取り外す必要があるため、完全には顎の骨に結合させるわけではありません。
特殊な構造により顎に安定させるのですが、治療中に外れるリスクがあります。
感染や炎症のリスクがある
アンカースクリューを埋入する部分の歯ぐきや顎の骨には少なからず負担があります。
そして、埋入したばかりのころは歯ぐきに傷ができるため炎症や感染するリスクがあります。
そのため、歯ぐきや顎の骨が安定するまで様子を見ることも。
埋入時の痛み
埋入するときには痛みが生じることがあります。
そのため当院では麻酔を用いて治療を進めていきます。
アンカースクリューを用いた歯列矯正の流れ
アンカースクリューを用いた歯列矯正の流れをみてみましょう。
1.アンカースクリューの埋入
2.矯正装置の装着
3.調整
4.アンカースクリューの除去
アンカースクリューを埋入する際には、部分的な麻酔を行ったあと電動トルクドライバーを用いて治療を進めます。
そして、歯ぐきや顎の骨、ネジに問題がなければ、ネジの頭にゴムやワイヤーを装着して歯を動かします。
歯を動かすためにワイヤーやゴムの交換を行うために通院いただきます。
動かしたい部分まで歯が動けばアンカースクリューは必要ありませんので、すみやかに除去します。
当院では基本的には裏側矯正(舌側矯正)と組み合わせます。
まとめ
当院では、患者様の歯並びに応じて治療のご提案をさせていただきます。
アンカースクリューを埋入する際には電動トルクドライバーや部分麻酔を使用してできるだけ快適に治療が進められるように配慮いたします。
アンカースクリューを使用するか判断するにはカウンセリングや精密検査の後になりますので、まずはお気軽にご相談にお越しください。