投稿日:2024.5.10
埋伏歯は矯正できる?
みなさん、こんにちは。
東京八重洲キュア矯正歯科です。
「矯正治療をしたいけれど、歯ぐきの中に埋まったままの歯がある……」とお悩みの方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
このような歯を埋伏歯(まいふくし)と呼び、状態によっては矯正治療で治すことができ
ます。
今回は、埋伏歯の特長や種類、埋伏歯になりやすい歯、治療方法を解説します。
目次
埋伏歯とは?
埋伏歯とは、歯の頭(歯冠)の一部もしくは全てが顎の骨や歯ぐきの中に埋まった状態の
歯のことです。
埋伏歯が1本だけの方や数本埋伏している方などさまざまいらっしゃいます。
埋伏歯の中でも完全に埋まっているものであればほとんどが自覚症状はありません。
しかし、生えようとしている位置や方向に異常があるケースが多く、矯正治療の際に抜歯
を選択しなくてはならないことも。
また埋伏歯があることに気付かないとまれに埋伏歯の周りに膿の袋を作ったり、顎の骨に
炎症を引き起こしたりして痛みを伴うこともあります。レントゲンを撮影して初めて埋伏
歯があることに気付く方も多いでしょう。
埋伏歯の種類
ここからは埋伏歯の種類を3つ紹介します。
完全埋伏歯
完全埋伏歯とは顎の骨や歯ぐきの中に完全に歯が埋まった状態で、痛みなどの自覚症状は
ほとんどありません。
完全埋伏歯の中でもまっすぐに生えようとしているケースであれば、歯ぐきや顎の骨にト
ラブルを引き起こすことは少ないです。
また埋伏歯が傾斜していても顎の骨の奥深くに位置するケースでは、ほとんどトラブルの
原因にならず気付かないことが多いでしょう。
ただし前歯などきれいに並んだ歯並びの中に埋伏歯があると歯並びに悪影響を及ぼします
ので注意しましょう。
不完全埋伏歯
不完全埋伏歯とは歯の頭の部分だけが歯ぐきから顔を出した状態で、隣の歯に接触するこ
とが多い傾向にあります。
不完全埋伏歯の場合は、完全埋伏歯とは違い少し歯が見えているためセルフケアが大切に
なります。
埋伏歯の位置にもよりますが少ししか生えていないとより清掃がしにくくなり、食べもの
が詰まりやすいためむし歯や歯周病にかかるリスクが高まるのです。
そのため、虫歯や歯周病などのリスクが高まり、高い確率で口の中のトラブルを引き起こ
す原因になってしまうのです。歯茎にまで細菌が侵入することもあり、とくに親知らずの
周りが炎症を起こした状態を「智歯周囲炎」と呼びます。
また不完全埋伏歯の清掃不良が続くことで周りの歯ぐきなどに炎症が引き起ると、飲み込
む際に強い痛みを感じる「嚥下痛」が引き起るリスクが高まります。
さらに不完全埋伏歯の場合は斜めに生えていたら早めに処置しないと隣接する歯を押して
しまうため、歯並びが悪くなる傾向がありますよ。
水平埋伏歯
水平埋伏歯とは歯ぐきや顎の骨の下に完全に横向きの状態で埋まった状態の歯をさします
。
水平に埋まっていても顎の骨の深い部分であればトラブルを引き起こすことはありません
が、歯ぐきや顎の骨から浅い部分に水平埋伏歯があるケースは隣接する歯に悪影響を及ぼ
します。
なぜなら、歯の頭の方向に向かって生えようとする性質があり、横向きだろうと関係なく
歯が生えようと動くからです。
水平埋伏歯の歯冠方向に向かって歯は生えようとするため、横に移動することで隣りにあ
る歯の根に負担がかかり、圧迫された歯の根は耐えきれずに溶けていくことがあるのです
。
歯の根が溶ける現象を「歯根吸収」と呼び、歯根吸収すると歯を支えることができなくな
るためグラグラと動いたり、自然に抜け落ちたりして寿命が短くなるリスクが高まります
。
水平埋伏歯の隣り合う歯だけにはとどまらず、押された隣の歯がさらに隣の歯の根を圧迫
して負の連鎖が続くこともあり、全体的に歯の寿命が短くなることも考えられますよ。
埋伏歯になりやすい歯
埋伏歯になりやすい歯は、前から数えて8番目の永久歯になる「親知らず」です。
親知らずは15歳前後で生える歯のため気付かない方も多く、生えるスペースが不足してい
ることから埋伏歯になりやすいとわかっています。
まっすぐ生えずに隣にある歯に向かって倒れるように歯が生えることもあれば、歯ぐきの
中に埋もれたままのケースもあり、歯並び全体に悪影響を及ぼします。
他にも前から数えて3番目の歯である「犬歯」も埋伏歯になりやすい歯のひとつです。
犬歯は2と4番目の歯が生えた後に萌出するのが一般的で、そのころには生えるスペース
が足りないケースが多く生える位置がずれてしまい八重歯になることもあります。
個人差はありますが、歯が大き過ぎたり、なかなか生える時期になっても歯が出てこなか
ったりする方は埋伏歯になるリスクが高まりますので、早めに歯科医院に相談しましょう
。
埋伏歯になる原因
埋伏歯になる原因は以下が挙げられますので参考にしてください。
・歯の生えるスペースが不足している
・歯が斜めに生える
・顎の成長が不十分で小さすぎる
・乳歯をむし歯などで早期に喪失した
・歯と骨が癒着している
・乳歯がなかなか抜けない
・外傷
主な原因は、歯の生えるスペースが不足していることや顎の骨が健全にせいちょうしてい
ないことが挙げられます。
お口の中に問題があるケースだけではなく「くる病」「骨形成不全症候群」「甲状腺機能低
下症」などの全身疾患が関係することもあります。
また永久歯の歯並びは乳歯の健康状態が左右しているといっても過言ではありません。
永久歯は乳歯を道しるべにして萌出する性質があるため、乳歯をむし歯により早期に喪失
すると永久歯は生える場所を見失うことがあるからです。
さらに乳歯がなかなか抜け落ちない場合も注意が必要で、乳歯の下に永久歯が生まれつき
ない方もいらっしゃいますので、ちっとも歯がグラグラ動く気配がなければ早めに歯科医
院に相談しましょう。
歯の本数が多すぎても少なすぎても歯並びに影響を及ぼし、顎の成長が左右するため幼い
ころから歯医者に通院して健康状態をチェックしてもらうと安心ですね。
埋伏歯は矯正治療で治せる?
埋伏歯は矯正治療で治すことができるケースとそうでないケースがあります。
どのような条件が必要なのか、矯正治療で歯を並べられない場合はどのような治療になる
のかみてみましょう。
埋伏歯を矯正治療で並べる条件
埋伏歯の状態には個人差がありますので、患者さんの年齢、歯の位置、形などをレントゲ
ンやCT撮影により精密に把握いたします。
・埋伏している歯の傾斜や深さ
・埋伏歯周辺の病状の有無
・歯の根が完成している
もちろん埋伏歯であってもできれば適切な位置に誘導してきれいな歯並びをめざしたいで
すよね。
しかし、埋伏している位置が深すぎる場合でとくにトラブルを引き起こす心配がない場合
は、患者さんの身体の負担を配慮してそのままにすることもあります。
他にも、埋伏歯の周りの歯が病気にかかっている場合は先に治療を優先することも。
さらに、歯の根が未完成な場合は歯を並べる際に負担がかかり、グラグラと動くことや痛
みがでるリスクがあるため抜歯を選択肢にいれることもあります。
埋伏歯を引っ張り出して歯並びを整えることができると判断された場合は、矯正歯科医院
で治療計画を立てることもあれば、歯の位置によっては外科治療をご提案させていただき
ます。
埋伏歯の治療方法
精密検査により埋伏歯が確認された場合は、埋伏歯の状態により治療方法が異なります。
【抜歯】
通常よりも歯の本数が多い「過剰歯」と呼ばれる歯が発見された場合は、矯正治療であっ
ても過剰歯は今後使用することなく抜歯する可能性が高いです。
過剰歯の場合は左右対称に生えるわけではありませんので、並べることにより歯並びが悪
く見えてしまいます。
【牽引】
もともと適切な位置に生えるはずであった歯が埋まっている場合は、矯正装置を装着して
顎の骨や歯ぐきから引っ張り出して適切な位置並べる「牽引」を行います。
基本的にはワイヤー矯正治療でないと牽引は行えません。
【開窓】
完全埋伏歯であれば、牽引するために歯ぐきを切り開く「開窓」という外科的な処置を行
います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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