投稿日：2024.7.30

大人の受け口もフェイスマスクで治せるの？

受け口についてお悩みの方は、

一度は受け口の治療法を調べたことがあるのではないでしょうか。

受け口の症例は子供から大人までありますが、子供のうちは顎骨が成長しているので「フ
ェイスマスク」という治療法が効果的です。
しかし大人になると骨の成長期は終了しているので、「フェイスマスク」での治療は推奨
されていません。

大人の場合は矯正治療や外科治療が主な治療方法ですが、「フェイスマスク」での治療が
少しでも効果があれば、選択肢が広がるきっかけになりますよね。

実際に大人の受け口の場合、効果はどうなのか詳しく説明していきましょう。
是非参考にしてみて下さい。

受け口の治療の必要性

1)受け口とは？

正常な噛み合わせは上の歯が下の歯を覆っている状態ですが、受け口の場合は反対です。
下の歯が上の歯より前に突出しているので、「反対咬合」とも呼ばれています。
受け口には2つの種類があり、治療法は異なります。

1 歯並びの問題(歯槽性反対咬合)
本来生える位置より、上の歯が内側、又は下の歯が外側に生えているケースの受け口です
。
この場合は歯並びが問題なので、歯列矯正が効果的でありますが、フェイスマスクでの治
療も期待できます。

2 骨格の問題(骨格性反対咬合)
上下の顎骨の成長バランスの異常による受け口のことです。
遺伝的な要因もありますが、生活習慣によって上顎の劣成長や下顎の過成長も考えられま
す。
重度の場合は外科治療が必要ですが、軽度の場合は歯列矯正とフェイスマスクの併用が効
果的になります。

大人の場合、顎骨の成長は終了しているのでフェイスマスクだけでは大きな改善は難しく
、他の治療と組み合わせが必要なケースもあります。

 

2)治療の必要性

受け口は見た目にも現れるので、コンプレックスになりかねます。
しかし審美面よりも機能面の問題の方が大きく、放置すると全身の健康に影響を与えます
。
受け口は本来の噛み合わせとは反対なので、食べ物を十分に噛み砕けずに飲み込んでしま
すことが多いです。
受け口の方はその状態が普通なので何も感じないかもしれませんが、しっかり咀嚼ができ
なければ胃や腸にかかる負担が大きくなるので、消化不良になる傾向があります。
さらに歯や顎にも過度なストレスがかかるため顎関節症になりやすく、口腔内の痛みだけ
ではなく、頭痛や肩こり・腰痛・重症になると自律神経にも影響するので、精神疾患にな
ることも考えられます。
「よく噛む」という事は脳に刺激を与えて活性化させ、記憶力や集中力・運動能力などの
向上に繋がるので、噛み合わせが整っていないと、認知機能や運動機能が衰えるでしょう
。
受け口の放置は危険なので、健康寿命を延ばすためにも治療する必要があります。

 

フェイスマスクとは？

 

フェイスマスクは上顎骨の成長期に使用される、取り外しが可能な頭部に装着する受け口
の矯正装置です。
上顎骨の成長のピークは10歳頃で、下顎骨は思春期の身長が伸びるタイミングで下顎も成
長します。
本来は主に7～13歳頃に行うことで上顎の成長を促し、下顎の成長を抑える治療方法です
。
1日12時間以上の装着が必要とされていますが、使用時間が長ければ長いほど効果がでます
。
外出の際は装着する必要はないですが、ご自宅にいる場合はできるだけ装着するようにし
ましょう。
フェイスマスクのしくみは3つの装置から構成されています。

1)上顎口腔内装置

 

2)口腔外装置固定源

3)牽引用のゴムリング

使用方法は上顎の歯に装着した上顎口腔内装置に口腔外装置固定源(フェイスマスク)を牽
引用のゴムで引っ張って、上顎骨を前方に牽引させます。
ワイヤー矯正などの治療は歯に直接力を加えるため、歯の位置を変えて歯並びや噛み合わ
せの調整が主な治療です。
しかしフェイスマスクは外側からの力を利用して歯と顎を動かすので、受け口の治療への
効果は高く評価されています。
その一方でフェイスマスクがオーダーメイドになるので、費用がすこし高くなります。
治療期間は患者さまの症状によって異なりますが、半年
から2年程の期間は必要になるでしょう。

 

大人の受け口への効果は？

 

フェイスマスクは本来顎の成長期に行うことで、十分な効果を得ることができる治療法で
す。
しかし大人の場合はすでに顎の成長は終わってしまっているので、顎の成長をコントロー
ルすることはできません。
期待できる効果は幼少期と比較すると少なくなってしまいますが、歯列を全体的に前に出
したり噛み合わせの調整には有効です。
外側からの力を利用しているため、歯にかかる負担が少ないことがメリットになります。
装着時間をきちんと守らないと効果は感じられないので、基本的には睡眠時も装着します
。
初めは寝にくいかもしれませんが、慣れてくるとほとんどの方が寝れているので、早く慣
れるためにも装着時間は守りましょう。
全体的に歯並びや噛み合わせ、顎の著しい変化を期待する場合は、歯列矯正や外科手術と
の組み合わせが必要になります。

フェイスマスクの注意点

 

どの治療に関してもメリットとデメリットはありますが、フェイスマスクにもデメリット
は存在します。
フェイスマスクは毎日12時間以上装着する必要があるので、サボってしまったり装着時間
が短いと症状は改善しません。
自己管理をきちんと行えないと治療は進まないので、長期間の覚悟が必要になるでしょう
。
フェイスマスクは受け口の治療に特化していますが、本来は顎の成長段階で行うことで最
大限の効果を発揮します。
大人の受け口でも効果が得られないわけではないですが、フェイスマスクだけでは改善が
難しい場合もあります。
治療期間が延びてしまう事や他の治療方法との併用が必要になることもあります。
そして装置の費用は他の治療と比較すると高くなりやすいです。
歯科医院によって金額は異なり、症状や治療期間によっても異なるので、具体的な費用が
気になる方は一度カウンセリングを受けることをおすすめします。

 

大人の受け口の他の治療方法

 

受け口の治療にはフェイスマスク以外にもありますので、ご紹介していきます。

1)歯列矯正
歯並びが原因で受け口になっている場合は歯列矯正で改善できます。
下顎の前歯だけが外側に生えているケースだと、部分矯正での治療が可能な場合もありま
す。
歯列矯正にも種類があり、受け口でもワイヤー矯正とマウスピース型矯正での治療が選択
できます。
但し、マウスピース型矯正といっても取り扱っている全てのマウスピースで受け口の治療
ができるわけではありません。
歯並びの状態や抜歯の必要性によっても異なりますので、マウスピース型矯正を検討して
いる方は候補の歯科医院にてカウンセリングで受けましょう。

2)外科手術

重度の骨格が原因の場合は、フェイスマスクや歯列矯正では完全に改善することは難しい
ので、外科手術が必要になります。
歯列矯正と組み合わせて治療することで、上下顎のバランスが整うので見た目や噛み合わ
せが大きく変化します。
費用は歯列矯正と外科手術代でやや高額になりますが、「顎変形症」と診断されれば保険
が適用されます。
手術は基本的に全身麻酔下で行い、口腔内からの処置になるので傷跡が残ることはないで
す。
手術自体は1日で終わりますが、ダウンタイムや術後は入院が必要になるケースが多いの
で10日ほどは安静にする期間が必要ですので、学校や仕事を休まないといけません。
しかし上記でも説明したように受け口を放置することは歯や顎への負担がとても大きく、
全身の健康に影響するので、最適な治療を行うことが重要です。

 

有意義な人生にするために、まずは治療の相談からはじめましょう。
気になることがありましたら、お気軽にお問合せください。

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