投稿日:2024.4.30
矯正歯科では抜歯は必要なの?
歯列矯正をする際、抜歯は必ず必要なのでしょうか?
歯を抜くことに抵抗が高い方や、できれば歯を抜かずに矯正治療を進めたい方もいますよね。
そこで今回は、歯列矯正をする時には抜歯が必要なケースとそうでないケース、抜歯をして矯正治療をするメリット・デメリットについて詳しくお話していきます。
これから、矯正治療を考えている方にとって知っておくとよいことがたくさんありますので、ぜひご参考にして下さい。
目次
<抜歯が必要な矯正治療と必要としない矯正治療の流れ>
抜歯が必要なケースとそうでないケースとでは治療の流れはどのように変わるのでしょうか?
ここではそれぞれの治療の流れと抜歯後の注意点についてもご説明いたします。
【抜歯が必要な矯正治療の流れ】
抜歯をしない矯正では次のような順番で治療を進めていきます。
1.カウンセリング
初診時のカウンセリングでは、どのような悩みがあるのか、希望についてお話をお聞きします。
希望に沿って治療ができるか大まかなお話をしますが、より詳しい説明や治療期間・費用については検査後のご説明になります。
検査をしたい方はカウンセリング当日、または別日に行うこともできます。
2.検査
レントゲン撮影、CT撮影、お顔の写真やお口の型取りなど診断に必要な検査をします。
どのような治療計画で進めていくか診断までお日にちを頂くので、詳しい内容の話は次回の予約時になります。
3.診断・治療計画のご説明
どのような矯正方法で治療を進めるのが効果的か、治療期間や費用など矯正
治療を進めていく流れのご説明をします。
歯を抜く必要があるのかないのか、メリットとデメリットについてもお話します。
患者さんに納得して頂けましたら、次回からいよいよ治療に入ります。
4.抜歯
必要な歯を抜きます。
上下左右で数本抜歯をした方がよいケースの方では、1日に全部抜くのではなく、負担がないよう右側だけ、左側だけと日にちを分けて抜歯します。
抜歯が必要な歯を全て抜き終わったら、矯正治療が開始されます。
5.矯正治療開始(矯正器具の装着)
歯に矯正装置を付けて歯の移動を進める準備をしていきます。
6.矯正治終了(矯正器具の着脱)
理想とする歯並びへと歯を並べ終えたら、歯に装着していた矯正器具を取り外します。
7.保定期間開始(リテーナー装着)
矯正治療終了後は、再び歯が移動しないようにリテーナーと呼ばれるワイヤーで歯を固定するか、マウスピースを装着してもらい歯の位置を固定することになります。
8メンテナンス
歯が移動していないか、むし歯ができていないかを含めて定期的にメンテナンスに通い歯のケアをしていきます。
メンテナンス期間はクリニックごと違いますが3〜6ヶ月に1回くらいのペースで通うことになります。
抜歯が必要な矯正治療では、矯正を始める前に歯を抜いて歯を動かすためのスペースを確保します。
ですが、出っ歯の治療では矯正治療後に歯を抜くこともありますので、どのタイミングで抜歯するかは歯並びの状態によって変わることがあります。
【抜歯した後の注意点】
抜歯が必要になった場合、歯を抜いた後の心配もありますよね。
どのようなことに注意をした方がよいかご説明します。
・処方された薬は決められた通りに飲む
・麻酔の効果が切れるまで3時間程は飲食を控える
・抜歯後は強くゆすいだり、頻繁にゆすがない
・抜歯した当日は、激しい運動や長風呂、サウナなどの血行がよくなることは避ける(シャワーを浴びるのはOKです!)
・辛いものなど刺激のある食べ物は数日間控える
・抜歯した反対側の歯を積極的に使って食べる
・タバコは吸わない、または副流煙にも気を付ける
・抜歯した周囲の歯を磨く時は傷口に当たらないように優しく磨く
・痛みや腫れがある時には濡れたタオルをあてて、氷などで冷やし過ぎないこと
上記のことを守り抜歯後は気を遣って1週間は過ごしましょう!
痛みがひどい場合や上記以外に気になる点や心配なことは医師がしっかりと対応しますので、なんでも聞いて下さい。
【抜歯を必要としない矯正治療の流れ】
1.カウンセリング
2.検査
3.治療計画
4.矯正治療開始(矯正器具の装着)
5.矯正治終了(矯正器具の着脱)
6.保定期間開始(リテーナー装着)
7.メンテナンス
抜歯の治療が入るかどうかだけで、矯正治療の進め方や内容も一緒になります。
抜歯をせずに矯正治療が始められる場合、その分矯正期間は少し短くなります。
<歯列矯正で抜歯が必要になるケースはどんなもの?>
矯正治療では全ての歯並びが抜歯が必要になるわけではありません。
では、どのようなケースで抜歯の必要性が決まるのでしょうか?
詳しく解説していきます。
【1.歯をキレイに並べるためのスペースが確保できない】
歯が乱れる理由に、顎の骨が小さく歯が並ぶためのスペースがないこと、顎の骨の大きさは正常でも歯が大きくて並んでいないなどが原因として挙げられます。
そのような場合、限られた広さに歯をキレイに並べ直すにはスペースの確保が必要になります。
そのため、歯を抜いてできたスペースに残った歯をキレイに整えて並べ直すのが矯正治療です。
【2.上下の歯の噛み合わせがよくない】
上下の歯で噛み合わせがよくない場合も歯を抜くことがあります。
抜いてスペースを確保した状態で歯並びを整え直すことで正しい噛み合わせのバランスを取ります。
【3.親知らずが歯並びに悪影響を与えている】
親知らずが歯並びを悪くしていることがあります。
特に親知らずが横向きや斜め方向に向かって生えていると、歯を押してしまうので歯並びが乱れてしまうので、抜いた方がいいでしょう。
【4.重度な出っ歯や受け口】
出っ歯や受け口が重度のケースでは前歯を奥に引っ込める必要があるため、歯を後方へ移動させることになります。
そのため、後ろに動かすだけのスペースの確保がいるため抜歯をします。
重度ではないケースでは、歯を抜かずに治療ができることもあります。
<抜歯をすることのメリット4つ>
抜歯を避けたいと思う方も多いですが、矯正治療を成功させるためにはメリットが大きいとも考えられます。
【1.難易度が高い症例でも治療ができる】
重度の出っ歯や受け口、叢生のように歯が凸凹と乱れている歯並びでも歯を抜いてスペースの確保をすることで、キレイな歯並びへ治療をすることができます。
逆にいえばスペースがなくガタついた歯並びになっている状態を抜歯なしで治療することは難しいでしょう。
【2.歯が動きやすくなる】
顎の骨が小さく歯並びが悪くなってしまったケースでは、抜歯をすれば歯を移動させるだけのスペースが確保できるので歯の移動が容易になります。
特に有効な治療法になるでしょう。
【3.理想通りの歯並びにできる】
抜歯をすると歯を動かせる範囲が広くなるので、理想的な歯並びへと歯を動かすことができるようになります。
理想的な歯並びへと治療するための確実性が上がります。
【4.顔の輪郭や印象が美しくなる】
特に出っ歯や受け口の治療のときに抜歯をすることで、大きく歯を移動させることができれば、唇の盛り上がりや張り出し感がなくなり顔の印象も変わります!
<抜歯をすることのデメリット3つ>
抜歯にはメリットだけでなくもちろんデメリットもあります。
【1.一時的な制限と負担がある】
先にご説明した通り、抜歯の当時から1週間ほどの間は食事や運動の制限、痛みがあったりなどの負担があります。
どちらも一時的なものにはなります。
【2.治療が長期的になる】
歯を抜いたスペースをつめるように歯並びを整えていくので、大きく空いた分だけ歯を移動させるだけの時間がかかります。
また、抜歯後の傷の治りなどを待つ時間も含まれるので、治療期間もやや長くかかる傾向にあります。
【3.抜歯の料金は自費治療になる】
矯正治療で必要になった抜歯の料金には保険が適応されません。
そのため自費治療になり、1本5000〜15000円程と各クリニックでの提示価格で治療を受けることになります。
複数本抜歯が必要な場合には、高額になるのであらかじめ値段について確認しておくのがよいでしょう!
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東京八重洲キュア矯正歯科