投稿日:2025.1.17
でこぼこの歯(乱杭歯)は矯正でどこまで治せるの?
鏡を見たときに歯がでこぼこしているのが気になる、自分の笑顔に自信が持てない、と感じたことはありませんか?
このような状態は「乱杭歯」と呼ばれ、歯がきちんと並ばず噛み合わせが悪くなっている状態を指します。
ただ見た目の問題と思われがちですが、実は乱杭歯は噛む力が分散されにくい、汚れが溜まりやすいなど、口腔内の健康にさまざまなリスクを与えることがあります。
また、乱杭歯が原因で虫歯や歯周病が進行したり、顎関節症や消化不良といったトラブルに発展することもあります。
一方で、矯正治療を行えば多くの場合、歯並びを整えることが可能です。
この記事では、乱杭歯の原因や放置することで起こるリスク、そして矯正治療によってどこまで改善できるのかを詳しく解説します。
目次
乱杭歯(でこぼこの歯)とは?
乱杭歯(でこぼこの歯)とは、上下の歯がきれいに並ばず、歯が重なり合ったり隙間ができたりしている状態を指します。
この状態では、歯が正しく噛み合わないため、見た目の問題だけでなく、噛む機能や口腔内の健康にも影響を与えることがあります。
乱杭歯の主な原因には、いくつかの原因が挙げられます。
まず、遺伝的な要因が大きく関わります。
例えば、親から受け継いだ顎の形や歯の大きさのバランスが悪い場合、歯が並ぶスペースが不足し、歯が重なり合うことがあります。
また、顎の発育が不十分だったり、上下の顎の成長がアンバランスだったりすることも乱杭歯を引き起こす原因の一つです。
さらに、幼少期の生活習慣や癖も影響します。
指しゃぶりや舌を押し出す癖、口呼吸といった習慣は、歯並びに悪影響を与え、でこぼこの歯を作る原因になります。
加えて、現代の食生活も一因とされています。
柔らかい食品が増えたことで、顎を十分に使う機会が減り、顎の発育が不十分になることが乱杭歯につながるとされています。
乱杭歯を放置するとどうなる?
乱杭歯(でこぼこの歯)は、見た目だけでなく、健康や日常生活にも大きな影響を及ぼします。
歯が正しく並んでいない状態を放置してしまうと、次第に問題が進行し、取り返しがつかなくなる可能性があります。
以下では、乱杭歯がもたらす具体的な影響について詳しく説明します。
見た目への影響
乱杭歯があると、笑ったり話したりするときに歯並びが目立ちやすく、自分の見た目に対して不安を感じることがあります。
このため、他人の視線を過剰に気にしてしまい、心理的な負担が大きくなる場合があります。
特に、仕事や学校で人前に立つ機会が多い人や、接客業に従事する人にとって、見た目のコンプレックスは大きなストレス源となりえます。
これが原因で笑顔を作るのが難しくなったり、会話に消極的になったりといった行動にも影響が出ることがあります。
噛み合わせの悪化
歯がでこぼこしていると、上下の歯がしっかり噛み合わず、食べ物を十分に噛み砕くことが難しくなります。
この状態が続くと、胃や腸に負担をかけてしまい、消化不良や栄養吸収の低下を引き起こす可能性があります。
特に硬い食べ物や繊維質の多い食べ物を摂取する際に困難を感じることが多いです。
虫歯や歯周病のリスク
乱杭歯では、歯が重なり合っている部分が多く、歯ブラシが届きにくい隙間ができます。そのため、歯垢や食べ物のカスが溜まりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが非常に高くなります。
さらに、歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、歯がぐらついて抜けてしまうこともあります。
顎関節症のリスク
乱杭歯が原因で噛み合わせが悪くなると、顎の関節(顎関節)に過剰な負担がかかります。
これにより、顎関節症を引き起こす可能性が高まります。
顎関節症になると、顎が痛む、口を開けるときに音がする、開閉がスムーズにできないといった症状が現れることがあります。
さらに、慢性的な顎の疲れや痛みが日常生活に支障を与える場合もあります。
発音の問題
歯並びが悪いと、正しい発音が難しくなることがあります。
特に、「サ行」や「タ行」の発音に影響が出やすく、話しにくいと感じることがあります。
これが原因で会話がスムーズに進まなかったり、他人に聞き返されることで自信を失ったりすることもあります。
矯正治療で乱杭歯はどこまで治せるのか?
乱杭歯は、矯正治療によって大きく改善することができます。
ただし、症状の程度や原因によって治療方法や結果は異なります。
軽度の乱杭歯の場合
軽いでこぼこであれば、歯を少しずつ動かして整える「マウスピース矯型正」や「部分矯正」が適用されることがあります。
これらは見た目が気にならない装置で対応できるため、比較的手軽に治療が進められるのが特徴です。
中度~重度の乱杭歯の場合
歯が大きく重なり合っている場合や、顎が小さい場合は「ワイヤー矯正」が一般的です。
場合によっては、歯を抜いてスペースを作り、歯を整える治療が必要になることもあります。
ワイヤー矯正は治療期間が1年半~3年程度かかる場合がありますが、幅広い症例に対応可能です。
骨格が原因の場合
顎の骨の位置や形状が乱杭歯の原因となっている場合、矯正治療だけでは十分に改善できないことがあります。
このような場合には、外科手術を併用して骨格を整えた上で矯正治療を行うケースがあります。
矯正治療の選択肢と特徴
マウスピース型矯正
まず、透明で取り外し可能な装置を使用する「マウスピース型矯正」は、軽度から中度の乱杭歯に適した治療法です。
この方法は見た目が目立たず、装置を自由に取り外せるため、食事や歯磨きの際にストレスを感じにくいのが特徴です。
ただし、重度の症例や骨格に問題がある場合には対応できないことがあります。
ワイヤー矯正
歯にブラケットとワイヤーを装着し、歯を徐々に動かしていく治療法です。
この方法は、軽度から重度まで幅広い症例に対応できるのが最大の強みです。
特に複雑な歯並びや乱杭歯にも有効で、治療後の結果が安定しやすいというメリットがあります。
ただし、金属製の装置が目立つため、見た目を気にする方にはデメリットと感じるかもしれません。
また、装置が固定されるため、食事や歯磨きの際には一定の注意が必要です。
また、部分的な歯並びの改善を目的とした「部分矯正」も選択肢の一つです。
一部の目立つ箇所だけを整えるため、全体の矯正に比べて短期間かつ低コストで治療が完了する場合があります。
ただし、全体の噛み合わせに問題がある場合には適用できません。
外科矯正
さらに、顎の骨格に問題があり、乱杭歯を根本から改善する必要がある場合には、「外科矯正」が適用されます。
この方法では、外科手術を行って顎の骨を整えた後、矯正装置で歯並びを仕上げます。
手術を伴うため身体への負担は大きいものの、骨格の問題を解決できるため、見た目と機能を大きく改善することができます。
矯正治療を選ぶ際には、治療法ごとの特徴や適用範囲を十分に理解することが重要です。
歯科医師とのカウンセリングを通じて、自分の症例に最適な方法を選びましょう。
また、治療には一定の期間と費用がかかるため、無理のない計画を立てることも大切です。
乱杭歯は放置すると問題が悪化することが多いため、早めに対応することで更なるリスクを予防することが可能です。
まとめ
乱杭歯(でこぼこの歯)は、見た目の問題だけではありません。
歯並びが乱れていると、食事がしづらくなったり、虫歯や歯周病になりやすくなったりするほか、顎関節への負担から頭痛や肩こりなど全身の不調を引き起こすこともあります。
また、笑顔や会話に自信が持てず、人前での振る舞いに影響を与えることもあります。
しかし、適切な矯正治療を受けることで、多くの問題を改善できます。
軽い乱杭歯であれば、見た目が目立たない「マウスピース矯正」や「部分矯正」で短期間で治療できることがあります。
中度から重度の乱杭歯の場合は、「ワイヤー矯正」や、顎の骨の形に問題がある場合は「外科矯正」が効果的です。
これらの治療法は、それぞれの症状に合わせて適切な診断が必要となるため、まずは一度相談してみましょう。
当院無料のカウンセリングを行っておりますので気になる方は是非一度ご来院ください。
予約はこちらから→https://plus.dentamap.jp/apl/netuser/?id=4491&_gaid=1994741045.1630053885