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投稿日:2024.12.6

歯根吸収とは?原因や仕組みを解説

今回のタイトルをみて不思議に思った方もいるかもしれません。

歯根吸収と歯列矯正にどんな関係があるか疑問を感じたのではないでしょうか。

そもそも歯根吸収ってどうなるの?悪いこと?と思うくらいあまり耳にしない言葉だと思います。

しかし、歯列矯正と歯根吸収は密接な関係にあります。そこで今回はあまり知られていない歯根吸収について、さらに歯列矯正との関連性についてお話していきたいと思います。

 

①歯根吸収とは

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歯根吸収とは何らかの原因によって根っこの先が溶けて短くなることをいいます。

また、歯根吸収は歯根の表面から歯の中心にある歯髄方向に向かって吸収される外部性歯根吸収と歯髄から歯根表面へと吸収が広がっていく内部性歯根吸収にわけられます。

矯正治療において外部性歯根吸収の頻度が多いとされ、さらに外部性歯根吸収は発見が難しいことから複数枚のレントゲン写真によって吸収部の変位をみて鑑別を行っています。

私たちが普段食事をするときは上下の歯で物を咬み、小さくすることで飲み込むことができます。

の、噛む作業を担い歯茎からみえている部分を歯冠と呼びます。そして歯冠で咬むことができるのは、歯根がしっかり支えて咬む力に耐えてくれているからなのです。

この歯根が吸収、言い換えれば溶けてしまうとどのようなことが起こるのか、そしてなぜ歯根吸収が起こってしまうのかいくつかの原因を挙げてみていきたいと思います。

 

②歯根吸収を起こす原因

 

◯歯の生え変わり

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乳歯から永久歯に生え変わる際にも歯根吸収は起こります。

乳歯がグラグラしはじめてやっと抜けた時、あまりに小さくて短いことに驚いたことはありませんか?

乳歯はお母さんのお腹にいる頃から歯胚という歯のもととなる芽のようなものが形成され、少しずつ歯の形に近づきやがて口の中に萌出してきます。

そして、乳歯の下では永久歯の歯胚が形成されて歯の形になり乳歯を持ち上げながら萌出しようとします。この時に乳歯の根っこに歯根吸収が起こります。

そのため、抜けた乳歯の根は短く虫歯だと勘違いする人もいます。

 

◯ケガや事故による外傷

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転倒や事故によって歯に衝撃が伝わると歯根吸収が起こることがあります。

特に乳歯や永久歯が萌出して間もない頃は歯根が未完成なため可能性が高くなるとされています。

歯をぶつけた時は一時的な脱臼でなんの問題もないように見えても、数日経ってレントゲン撮影をすると歯根吸収が起こっていることがあります。

1年以内に歯根吸収が起こらなければその後も可能性は低いとされていますが、吸収が進行していく場合は歯髄壊死を起こすこともあります。

 

◯歯列矯正

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歯根吸収が起こる原因として歯列矯正によるものもあります。

歯列矯正は大きな衝撃までありませんが、継続的に長い時間歯に力を与えていくためその可能性はでてきてしまいます。

全ての人に歯根吸収がみられるわけではありませんが、レントゲンで確認できないほどの微量の吸収を含めると比較的起こる可能性があるとされています。

なかでも、大きな傾斜を治す治療や移動距離が長い場合など治療期間が長くなればなるほどそのリスクは高くなる傾向にあります。

また、成人してからの歯列矯正も子供の頃に比べて歯根吸収が起こりやすくなります。

というのも成人を過ぎる頃は顎の成長は完成していて顎の骨もしっかりしています。

そうなれば歯を移動させるためにはそれなりにかける力も多く必要になってくるというわけです。

そのほか、歯列矯正の装置によっても若干の違いがでてくるとされています。歯列矯正には大きく分けてマウスピース型矯正とワイヤー矯正のふたつがあります。

じわじわと少しずつ力を加えて歯を移動させるワイヤー矯正に対し、数週間ごとに装置を付け替えて歯を移動させるマウスピース型矯正の方が最初に装置をつけた時の違和感が大きいと感じやすいのです。

そのため、一気に歯にかかる負担が大きいマウスピース型矯正の方が歯根吸収が起こりやすいといえます。

歯列矯正は数年の月日が必要となり時間がかかるイメージを多くの方がもっていますが、それなりに時間がかかるのにはこうした理由があります。

 

◯歯の移植

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虫歯や歯周病、怪我などによって歯を失ってしまった時に歯の移植を行うことがあります。

歯の移植は歯科における再生医療の先駆けであり、古くから行われている治療になります。

もちろん、移植する歯は健全なものであり移植のために他が欠けてしまう訳にはいけないため親知らずを利用する例が多く行われています。

歯の移植は、治療によって傷つけられた歯根膜や歯髄などの歯周組織がどれだけもとの状態にもどるのか、再生が行われるかが成功のカギとなります。

成功率は比較的高い傾向にありますが、再生が上手く行われない場合は歯根吸収を起こすことがあります。

 

◯その他

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その他、先天的な理由に生まれながらにして根の長さが短かったり、根の先が湾曲している場合も歯根吸収に繋がる原因となります。

根の長さに関係する要因として、歯根の成長途中に強い力がかかったり、隣接する歯の根っこによって歯根が吸収された等が挙げられます。

根の先は元々多少の湾曲があり、大きく曲がっているものも珍しくありません。

また、人間の咬合力は想像以上に強いものであり、日常的な食いしばりや歯軋りによって歯根吸収を起こすこともあります。

 

③歯根吸収を起こしてしまったら

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あらゆることが原因で歯根吸収が起こってしまったら、もとの状態に戻すことはできるのかというと残念ながら戻すことはできません。

しかし、矯正治療や歯ぎしりなどで根っこが短くなったからといってすぐに困るような症状が出ることは稀です。

さらに歯根吸収は急に起こる現象ではありません。

歯列矯正中であれば定期的にレントゲンをとりながら根の状態を確認します。

歯ぎしりや食いしばりで過度な負担がかかっている場合であれば歯根の状態よりも先に顎の痛みや歯の摩耗といったトラブルがでてきます。

こうしたことから、歯根吸収は比較的起こりやすい症状ではありますがそれが原因で困った問題に発展することは低いといえます。

では仮に、歯根吸収の症状が進行した場合はどうなってしまうのかご説明していきます。

 

・歯の神経を取る

ケガや転倒などによって歯の脱臼や破折が起こってしまった時、歯の内部にある歯髄という内側の管から吸収が起こることがあります。

その場合、進行や内部での腐敗を防ぐために抜髄という神経をとる治療を行わなければいけません。

神経を綺麗に取り除き、無菌状態にしたうえで神経の代わりとなる薬を入れて蓋をすれば歯を温存することができます。

 

・歯を抜く

重度の歯根吸収が起こり歯が動揺している時は抜歯の適用になってしまいます。

歯根吸収が進むスピードはジワジワとゆっくりですが、自覚症状がないため気づかないうちに進行していたということも珍しくありません。

さらに歯周病によって歯を支える歯槽骨まで溶かされてしまった場合、歯の動揺具合は一気に加速してしてしまいます。

そうならないためにも、定期的な受診でチェックしてもらうことは早期発見のためにとても重要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

歯列矯正をする際の歯根吸収は避けられないことがお分かりいただけたかと思います。

ただ、歯列矯正によって起こる吸収は微量なものが大半であり症状がでることもほとんどありません。

また矯正専門医はそのことを十分理解したうえで治療を進めていますので、歯列矯正によって歯根吸収が加速したという結果になることはありません。

どんな治療にもデメリットはありますが、それ以上に得られる価値があるからこその治療法であることをご理解いただけたらと思います。

 

当院無料のカウンセリングを行っておりますので是非一度ご来院ください。

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