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投稿日:2023.8.29

歯並びを悪くする八重歯は他の病気の原因にもなる?

八重歯の印象は日本と欧米で大きく異なっており

日本では「愛嬌がある」「親しみやすい」

などとよい印象として捉えられることもあるようですが、

欧米では改善した方がよい歯並びとして積極的に矯正をする方が多くなります。
また、見た目の問題だけでなく、お口のバランスや全身のバランスに影響を及ぼす

可能性があるため、歯並びのバランスを整えた方がよいといわれています。
そこで今回は、歯並びを悪くする八重歯は他の病気の原因に関係するか

についてお話させていただきます。

犬歯とは

犬歯は真ん中から数えて3番目の歯のことをいい、上下合わせると4本あります。
犬の尖った歯の形に似ていることから犬歯といわれるようになりました。
先端がとがっている犬歯の歯の役割は、食べ物を噛みちぎる時に発揮します。
そのため、ほかのどの歯よりも歯の根っこが長い特徴があり

前歯と奥歯の真ん中に位置しているため

噛み合わせの目印としても大切な役割をしています。

八重歯とは

八重歯と犬歯は同じように思うかもしれませんが、犬歯は歯の名称で、

八重歯は歯の状態を表しています。
八重歯は、本来生えている場所から前や外側に出ている犬歯のことをいい、不正な歯並びです。
そのため、かみ合わせが悪く、食べ物を噛みちぎる時にしっかり役割を果たせていないことも多い歯です。
日本では可愛らしいと捉えられる場合もありますが

欧米ではドラキュラに例えられることもあり、矯正の対象になる歯並びです。

八重歯の3つの原因

1 顎の小ささ

八重歯の原因の1つとして考えられるのは、顎の小ささです。
犬歯は生え変わりも遅く、本来の歯列に歯が並ぶためのスペースが足りずに、外側に生えてしまいます。
近年、ファストフードや柔らかい物を好んで食べる食習慣が顎の発達を妨げているといわれています。

その結果、歯が生えるスペースが足りずに歯並びが悪い子も増加傾向になっています。

顎の発達を十分に促すためには、歯ごたえのあるものをしっかり噛むことが大切です。
1度食べたら、30回を目安にきちんと咀嚼しましょう
また、食材も歯ごたえが残るように調理することをおすすめします。
その他には、乳歯がむし歯になってしまい、本来生え変わる前の時期に歯が無くなってしまう
と、その部分を埋めようとして、左右の歯が傾いてしまうことがあります。
そうすると、その部分だけでなく、お口全体のバランスが悪くなってしまい、

ほかの歯が前に出てきて、八重歯になることがあります。

2 過剰歯

大人の歯は親知らずの4本を含む32本が一般的ですが、何らかの理由で歯が多い過剰歯がある場合があります。
そうすると、歯が並ぶスペースが足りずに犬歯が出てしまい、八重歯になることがあります。
特に犬歯の近くに過剰歯があると、八重歯の可能性が高まります。

3 口呼吸

本来、鼻で呼吸する鼻呼吸が正しいのですが、

口で呼吸をする口呼吸をしていると舌の位置も下がり、歯並びが乱れる原因になる場合があります。
正しい舌の位置は、上の前歯の後ろの部分(スポット)ですが

口呼吸をしていると、この部分に舌がつかず
歯を押す原因になりやすく、前歯の叢生(がたつき)につながります。

八重歯を放置すると?

八重歯は、歯並びが悪くなってしまうため、見た目も問題がありますがそれだけでなく

さまざまなデメリットがあります。

1 歯周病やむし歯のリスクが高まる

八重歯の方の多くは、真ん中から数えて2番目の歯が引っ込んでいることが多く、

その部分に汚れが残りやすく、磨き残しになりやすい傾向にあります。
そうすると、その部分がむし歯や歯周病のリスクが高くなってしまうのです。

2 口内炎の可能性が高くなる

八重歯の程度にもよりますが、犬歯が前に出ていることで唇や頬を咬みやすくなってしまい、
口内炎ができやすくなります。

3 顎関節症のリスクが高まる

歯には1本1本役割がありますが、犬歯は前にとび出ているため、その部分はかみ合わず、

噛み合わせのバランスが崩れてしまいます。
きちんと噛み合っていないと、ほかに強く当たる部分が出てしまい、その歯や顎に負担がかかります。
そうすると、顎関節症のリスクが高くなってしまうのです。

4 頭痛・肩こり

かみ合わせのバランスが崩れてしまうと、口周りの筋肉に負担がかかって

首や顔周りにも悪影響を及ぼすことがあります。
その状態が長く続くと、肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。

5 消化しにくくなり、胃に負担がかかる

犬歯は食べ物を噛みきる時に大切な役割をします。
しかし、前に出てきちんと噛み合っていないことで、食べ物を噛みきりにくくなり

かみ合わせのバランスが崩れていると、しっかり噛むことが難しくなります。
そうすると、よく噛まずに飲み込む習慣につながり、

消化しにくい状態で胃に負担がかかってしまうことがあります。

6 運動能力の低下

きちんとしたかみ合わせは、スポーツなどの競技をする時に瞬間的な力を発揮します。
プロスポーツ選手のかみ合わせが改善するとパフォーマンスが向上する傾向になるといわれています。
一方、かみ合わせが悪いままだと、十分な力が入らず、競技結果にも影響を及ぼすといわれています。

八重歯を矯正するメリット

八重歯を改善するとさまざまなメリットがあります。

・審美性が向上する

歯並びがガタガタしていると、見た目が気になってしまうことも少なくありません。
また、引っ込んでいる歯が暗く見えてしまい、色が暗く見えてしまうこともあります。
八重歯を矯正治療すると、見た目の審美性が向上します。

・歯周病やむし歯のリスクを軽減できる

矯正治療をして整った歯並びになると、歯ブラシが当たりやすく、むし歯や歯周病のリスクを
軽減できます。
そうすると、口臭もしにくくなり、お口の中の環境が改善します。

・ほかの歯の負担軽減

八重歯はかみ合わせのバランスが崩れていることが多く、

ほかの歯に負担がかかりやすい歯並びです。
特に食べ物を噛みきる役割をする八重歯がその働きを十分にできないと

奥歯に負担がかかります。
矯正治療をすると、かみ合わせのバランスが整うため

ほかの歯の負担を軽減することができます。
また、きちんと噛み合うことで顎への負担が軽減して顎関節症のリスクも軽減します。

八重歯の改善方法

マウスピース矯正

八重歯はマウスピース矯正で対応できるケースが多くなります。
マウスピース矯正は透明のマウスピースを製作し、

段階的に形の違うマウスピースに交換することで少しずつ歯を動かす方法です。
透明のマウスピースのため、矯正中の見た目がほとんど分かりにくく

取り外しができるため、食事や歯磨きを今まで通り行うことができます。
ただし、取り外しができる分、1日20~22時間の装着時間を守らないと

治療計画通りに歯が動かない可能性があるため、自己管理が必要な治療です。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は多くの歯科医院で対応している、歴史のある矯正方法で、

歯の表面に「ブラケット」をつけて、「ワイヤー」を通して適切な力をかけながら少しずつ歯を動かす方法です。
近年、白や透明のブラケットやワイヤーで対応ができるようになったため、

矯正中の見た目も分かりにくくなりました。
また、見た目が気になる方は、歯の裏側に装置をつける裏側矯正もあり、

患者さまのご希望にそってよりよい矯正方法をご提案いたします。

まとめ

八重歯はかみ合わせのバランスが悪くなってしまう不正咬合のため、

矯正治療をした方がよい歯並びです。
そのまま放置すると、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため

早めに治療を開始しましょう。
当院では患者さまの歯並びとご希望を考慮して、矯正方法をご提案していますので

お気軽にご相談ください。

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